患者満足度を高め、信頼関係を築くために欠かせないのが「ホスピタリティ」です。
特に医療の現場では、技術や知識と同じくらい、患者さんに対する心のこもった対応が求められます。
本記事では、ホスピタリティの基本的な考え方から、サービスや接遇との違い、実際の医療現場での具体例までをわかりやすく解説します。
医療現場に求められるホスピタリティとは?
ホスピタリティとは?
ホスピタリティとは、「思いやり」や「心からのおもてなし」を自発的に提供する姿勢のことです。
もともとはホテル業界などで使われていた概念ですが、現在では医療や介護の現場でも重視されるようになりました。
語源はラテン語の“hospes(客人)”に由来し、「客人を心からもてなす精神」を指します。最近では「ホスピタリティ産業」という言葉も登場しており、サービスの質を高めるキーワードとして注目されています。
ホスピタリティとサービスの違い
ホスピタリティとよく似た言葉に「サービス」がありますが、両者には明確な違いがあります。
観点 | ホスピタリティ | サービス |
---|---|---|
意味 | 自主的なおもてなし | 対価を得るための対応 |
目的 | 相手の利益・喜び | 報酬・利益 |
立場 | 提供側・受け手が対等 | 提供者が下、受け手が上 |
サービスは「やるべきことを正確に行う」ことに重点があり、対価が前提となります。一方、ホスピタリティは相手の気持ちを汲み、見返りを求めずに行動する姿勢です。
医療においては、患者さんの安心や満足のために、こちらから先回りして動く姿勢こそが、ホスピタリティの真髄といえるでしょう。
ホスピタリティと接遇の違い
ホスピタリティと接遇はどちらも医療現場でよく使われる言葉ですが、起源や対象範囲に違いがあります。
- 接遇:日本独自の概念で、医療・介護など特定分野に特化。マナーや礼儀を重視。
- ホスピタリティ:欧米発祥の考え方で、宿泊・運輸・旅行業などにも広く浸透。
接遇は「型」を重視した対応、ホスピタリティは「心の持ち方」が核となる違いがあります。
どちらか一方ではなく、両方をバランス良く取り入れることが、理想的な患者対応につながります。
医療現場におけるホスピタリティの実例
以下は、日常の診療現場で実践できるホスピタリティの一例です。
- 笑顔で挨拶を交わす
- 相手の目を見て会話をする
- まずはすべての話を傾聴し、否定せず受け止める
- 予測される症状や治療の流れを丁寧に伝える
また、「クッション言葉」を効果的に使うことも、患者さんとの距離を縮めるうえで重要です。
クッション言葉の使用例:
- お願いをする際:「恐れ入りますが」「申し訳ございませんが」
- 質問をする際 :「差し支えなければ」「お尋ねしたいのですが」
- 手間をかける際:「お手数をおかけしますが」「ご面倒をおかけしますが」
一言添えるだけで、相手への印象がぐっと和らぎ、会話がスムーズになります。

まとめ
ホスピタリティとは、相手の立場に立って考え、見返りを求めずに思いやりを持って接する姿勢です。
医療現場では、このホスピタリティが患者さんの不安を和らげ、信頼関係を築く土台となります。
過度な気遣いはかえって相手の負担になることもあるため、「相手をよく観察し、必要なときに、必要なだけ」心を配ることが大切です。
スタッフ一人ひとりがこの意識を持ち、医院全体にホスピタリティが根付いていけば、自然と満足度も高まり、選ばれる医療機関へとつながっていくでしょう。
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