スタッフへ仕事上の注意をしたところ、急に返事がそっけなくなる。
明らかに表情が変わる。その後しばらく話さなくなる。場合によっては周囲のスタッフにまで不満を漏らす。
このような反応をされると、注意する側も気を遣います。
「また不機嫌になるから言わないでおこう」
「この程度なら自分が我慢した方がいい」
そう考えているうちに、本来改善すべき問題が放置されてしまうことがあります。
しかし、注意されたときにどう感じるかは本人の問題です。指導する側が相手の機嫌を取るために、必要な指導までやめる必要はありません。
一方で、正しいことを言っているからどのような伝え方でもよいわけでもありません。
今回は、注意すると不機嫌になるスタッフに対して、必要な指導を適切に続けるための対応法について考えてみましょう。
注意すると不機嫌になるスタッフへの対応法
不機嫌になることと指導内容は分けて考える
注意した後にスタッフの態度が変わると、「言い過ぎたかな」と不安になることがあります。
- 相手の表情だけで指導を撤回しない
- 指摘した内容が適切だったかを確認する
- 感情ではなく事実に基づいて話す
- 必要な改善は最後まで求める
例えば、決められた業務を何度も行っていないスタッフへ、その事実を具体的に伝えて改善を求めたのであれば、本人が不機嫌になったからといって問題そのものがなくなるわけではありません。もちろん、伝え方に問題がなかったかを振り返ることは必要です。
しかし、「不機嫌になった=注意した側が悪かった」と考えてしまうと、必要な指導ができなくなります。相手の感情と、改善すべき仕事上の問題は分けて考えることが大切です。
機嫌を直すために注意を弱めない
スタッフが不機嫌になると、指導した側がその後の関係を修復しようとして過剰に気を遣ってしまうことがあります。
- 必要以上に謝らない
- 注意した内容を曖昧にしない
- 特別扱いをしない
- 普段どおりに接する
「さっきは厳しく言ってごめんね」「そんなに気にしなくていいから」とフォローし過ぎれば、せっかく伝えた指導の意味まで弱くなってしまいます。また、不機嫌になれば周囲が気を遣ってくれるという経験が続けば、それ自体が本人のコミュニケーションの取り方として定着する可能性もあります。
必要なことを適切に伝えたのであれば、その後は必要以上に機嫌を取らず、通常どおり接することが基本です。
不機嫌な態度そのものが問題になる場合もある
注意を受けて落ち込んだり、気持ちを整理するのに少し時間がかかったりすることまで問題視する必要はありません。人によって受け止め方は違います。
しかし、注意されるたびに周囲へ露骨に不機嫌な態度を取る、返事をしなくなる、他のスタッフへ当たる、業務上必要なコミュニケーションまで拒むようであれば話は別です。
その場合は、最初に注意した問題とは分けて、「指導を受けた後の態度によって周囲が仕事をしにくくなっている」という別の行動上の問題として伝える必要があります。
「不機嫌になってはいけない」と感情そのものを否定するのではありません。
何を感じるかではなく、その感情を職場でどのような行動として表しているのかを見ることが重要です。
注意を「人格評価」ではなく改善の話にする
不機嫌になりやすいスタッフほど、注意されたことを「自分自身を否定された」と受け取っている場合があります。
- 問題となった事実を具体的に伝える
- 人格や性格の評価をしない
- 改善してほしい行動を明確にする
- 改善できたときにはきちんと認める
「いつもいい加減だよね」「責任感がない」と言われれば、本人は仕事上の改善点ではなく、自分自身を否定されたと感じやすくなります。それよりも、「昨日と今日、決められた確認作業が行われていませんでした。今後は○時までに確認してください」と伝えた方が、何を直せばよいのかが明確です。そして改善されたのであれば、「今回はきちんとできていました」と伝えます。
注意の目的は相手を反省させることではなく、次の行動を変えてもらうことを忘れないようにしましょう。

まとめ
注意したスタッフが不機嫌になると、指導する側もストレスを感じます。
そのため、「面倒だから言わない」「辞められたら困る」と必要な注意を避けたくなることもあるでしょう。
しかし、それを続ければ、本人の問題行動は改善されず、周囲のスタッフにも「不機嫌になれば注意されなくなる」というメッセージを与えてしまいます。
大切なのは、相手の機嫌ではなく、指導内容が適切だったかで判断することです。
人格ではなく具体的な行動について伝え、何を改善してほしいのかを明確にする。そして注意した後は必要以上に機嫌を取らず、普段どおりに接します。
また、不機嫌な態度が業務や周囲のスタッフに影響しているのであれば、その行動についても別の問題として伝える必要があります。
指導する側が相手の機嫌に振り回されるようになると、必要なことを言えない職場になってしまいます。スタッフの感情には配慮しながらも、仕事として伝えるべきことはきちんと伝える。その姿勢を崩さないことが大切です。
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