患者対応が人によってバラバラ どうする?~スタッフ個人の判断に任せない接遇の仕組みづくり~

「スタッフによって患者さんへの対応が違う」

医院ではよく見られる問題です。

あるスタッフは丁寧に説明するのに、別のスタッフは必要最低限しか話さない。患者さんを待たせたときに必ず声をかける人もいれば、何も言わない人もいる。電話対応や受付での言葉遣いも人によって違う。

もちろん、人それぞれ性格や話し方が違うため、全員がまったく同じ対応をする必要はありません。

しかし、患者さんが受けるサービスの質まで担当スタッフによって大きく変わる状態は問題です。

患者さんから見れば、「今日は誰が担当するか」によって対応が変わる医院になってしまいます。

今回は、患者対応がスタッフによってバラバラになっている医院で、どのように改善していけばよいのかを考えてみましょう。


目次

まず医院としての「基本」を決める

患者対応を統一するには、最初に医院として守ってほしい基本を明確にする必要があります。

「患者さんには丁寧に対応してください」だけでは、人によって解釈が違います。例えば、患者さんを予定より待たせる場合には一声かける、名前を呼ぶだけでなく患者さんの方を向いて案内するなど、具体的な行動まで決めます。ただし、一言一句同じセリフを話させる必要はありません。

統一するのは話し方ではなく、患者さんに対して最低限行うべき行動や配慮です。


できるスタッフの対応を医院の標準にする

患者対応がバラバラな医院でも、よく見ると患者さんへの対応が上手なスタッフがいることがあります。

例えば、患者さんが受付で迷っていることにすぐ気づく、説明後に「分からないことはありませんか」と確認する、待ち時間が長くなりそうなら先に状況を説明する。

このような良い対応を「あの人は接遇が上手だから」で終わらせてはいけません。何をしているから患者さんに良い印象を与えるのかを具体化し、他のスタッフも実践できる形にします。個人の能力だったものを医院の標準へ変えていくことが重要です。


マニュアルを作るだけでは対応はそろわない

患者対応を統一しようとして接遇マニュアルを作っても、それだけで現場が変わるとは限りません。

文章を読めば理解できても、実際に患者さんを目の前にするとできないことがあります。また、忙しくなると以前の対応に戻ってしまうこともあります。

そのため、朝礼やミーティングで具体的な場面を取り上げたり、ロールプレイングを行ったり、実際の対応についてフィードバックしたりすることが必要です。

「患者さんをお待たせした場合、どう声をかけますか?」と実際にやってもらえば、スタッフによる違いも見えてきます。

マニュアルは作って終わりではなく、教育と確認を繰り返すことで初めて現場の標準になります。


「統一」と「個性」を分けて考える

患者対応をそろえるといっても、スタッフ全員を同じ話し方にする必要はありません。

明るく話すスタッフもいれば、落ち着いた話し方をするスタッフもいます。それ自体は問題ではありません。むしろ、それぞれの良さを活かしてよいでしょう。一方で、「挨拶をする」「患者さんの話を最後まで聞く」「必要な説明を省略しない」といった基本まで個人差にしてはいけません。

医院として守る最低基準を決め、その範囲の中でスタッフそれぞれの個性を活かすという考え方が現実的です。


患者対応が人によってバラバラになる原因を、「接遇ができないスタッフがいるから」と個人の問題だけにしてはいけません。

そもそも医院として、どのような患者対応を求めているのかが明確になっていないことも大きな原因です。

まず、患者さんへの基本的な対応を具体的な行動として決める。そして、良いスタッフの対応を医院全体で共有し、マニュアルや教育へ落とし込みます。

さらに、実際の現場でできているかを継続して確認することも必要です。

全員を同じ人にする必要はありません。

統一するべきなのはスタッフの個性ではなく、医院として患者さんに提供するサービスの最低基準です。「誰に対応されても安心できる」という状態をつくることが、医院としての患者対応の質を高めます。

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