クリニックの税金 ④|経費にできるもの・できないもの

医院経営では「これは経費にできるのか?」という疑問が絶えません。とくに医療法人化すると個人時代とは扱いが変わることも多く、線引きが曖昧なまま処理すると税務調査で否認されるリスクがあります。

本記事では、クリニックで経費にできるもの・できないものを整理し、注意すべきポイントを具体的に解説します。


目次

1. 税率経費にできるもの

経営を続けるうえで「何が経費にできるのか」は必ず直面するテーマです。経費にできる範囲を理解していないと、余計な税金を払うか、逆に無理に経費化して税務調査で指摘を受けるリスクを抱えることになります。

判断基準は「業務に直接必要かどうか」です。人件費から消耗品、広告宣伝費まで幅広く計上できますが、分類と証憑管理を徹底することが求められます。

経費にできる支出は、日常的なものが多く「漏れなく計上する」ことが大切です。特に広告費や研修費は医院の成長に直結する投資でもあり、正しく経費処理することで資金繰りを安定させ、節税にもつながります。


経費にできないもの

一方で、院長や家族の私的な支出は経費にできません。生活費や家族旅行、個人車の維持費は典型的な否認例です。資産形成を目的とする院長個人の投資や高額な保険料も同様に認められません。交際費についても注意が必要で、高額すぎる接待や実態のない飲食費は「私的支出」と見なされ、税務調査で否認される可能性が高くなります。

経費にできないものは「私的色が強い支出」と捉えるとわかりやすいです。グレーなものを強引に経費に入れると調査時に追徴課税を受けるリスクしかありません。長期的には、正しい処理を積み重ねることこそが医院の信頼を守る方法です。


注意すべきポイント

経費の可否は単純な白黒だけでなく、グレーゾーンも存在します。典型例が「自宅兼用」のケースや車両・携帯電話の業務利用です。この場合は業務に使った割合で「按分」する必要があります。また、領収書や契約書といった証憑がなければ、どんな支出も経費と認められません。福利厚生費についても注意が必要で、スタッフ対象なら認められても、院長中心だと否認されやすいのが実務です。


医院経営における経費の扱いは、資金繰りや節税効果に直結する重要なテーマです。

大前提として「業務に必要かどうか」が判断基準となり、人件費や消耗品、広告費、研修費などは正しく経費計上することで税負担を軽減できます。一方で、院長や家族の生活費や旅行、個人車の維持費、資産形成を目的とした投資・保険料といった私的支出は経費として認められません。グレーゾーンについては按分処理や証憑の整備が不可欠であり、特に税務調査で指摘を受けやすいポイントです。

また、経費を安易に拡大解釈すると、追徴課税や加算税といった大きなリスクにつながります。逆に、正しく整理し証拠を残しておけば、税務リスクを下げながら健全な資金繰りを実現できます。経費処理は単なる数字の調整ではなく、医院経営そのものの信頼性を左右する要素です。迷った場合は専門家へ相談し、ルールに沿った運用を徹底することが、長期的な安定経営につながります。

※消費税の取扱いは改正や解釈変更が随時行われます。必ず顧問税理士にご確認ください。

▶クリニックの税金シリーズ:まとめページへ戻る


【無料】75%公開版チェックリストをご提供中


本シリーズでは、クリニック経営に欠かせない考え方や仕組みを整理して解説しています。
その次の一歩として、経営全体を体系的に把握できる「BSC(バランス・スコアカード)75%公開版チェックリスト」を無料でご提供しています。

数値だけに偏らない経営課題の整理や、スタッフと共有できる指標づくりの土台としてぜひご活用ください。
ご希望の方は、下記より資料請求または無料相談にお進みください。

▶BSC(バランススコアカード)については、こちらのまとめからご覧ください。

▶ 「経営戦略」カテゴリの関連記事を探す
▶ カテゴリ検索・人気記事などコラムのトップへ戻る

気づきを行動に変える 無料サポートはこちら

グロースビジョンでは読み物として得た知見を、実際の医院改善に活かすための【無料ツール・サポート】をご用意しています。
先生の大切な1歩を支援します。お気軽にどうぞ。

接遇5原則チェックシート

接遇の基準をシンプルに可視化。
院内研修や個別指導に活用

満足度調査ツール 半年無料

満足度と改善点を数値化できる
E-Pサーベイが半年無料

BSCチェックリスト

医業収入UPの戦略マップづくりに
無料でも75%公開してます

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次