自費診療の見込み患者を管理するべき理由~「説明した患者」をそのままにしない仕組みづくり~

自費診療について説明した患者さんのうち、その場ですぐに決断する人ばかりではありません。

「少し考えたい」
「家族と相談したい]
「もう少し詳しく聞いてから決めたい」

こうした患者さんは、まだ自費診療を選んでいないものの、選択肢の一つとして検討している「見込み患者」と考えることができます。

ところが、誰に自費診療を説明し、誰が現在検討しているのかを医院として把握していなければ、その後のフォローは担当者の記憶任せになってしまいます。

自費診療の売上を安定して伸ばしていくためには、結果だけを見るのではなく、その手前にいる見込み患者がどのくらいいるのかを把握することも重要です。

今回は、自費診療の見込み患者を管理するべき理由について考えてみましょう。


目次

自費売上だけでは今後の動きが分からない

自費診療について毎月売上だけを確認している医院もあるでしょう。

売上はすでに決まった結果です。今月の自費売上が高かったとしても、現在検討している患者さんがほとんどいなければ、翌月以降は売上が減る可能性があります。反対に、まだ売上にはなっていなくても、多くの患者さんが自費診療を検討しているのであれば、今後につながる可能性があります。

結果だけでなく、その前段階を見ることで自費診療の状況をより正確に把握できます。


「誰に説明したか」を記録する

自費診療の説明をしたこと自体が、担当者の記憶だけに残っている状態は避けたいところです。

例えば、「費用について家族と相談したい」という患者さんと、「選択肢の違いが分からず迷っている」という患者さんでは、必要なフォローが違います。

説明した内容と患者さんの反応を簡潔に記録しておけば、次回来院時にも前回の話を踏まえて対応できます。

担当者が不在でも別のスタッフが状況を確認できるため、患者さんに同じ説明を最初から繰り返すことも防ぎやすくなります。


見込み患者の「段階」を把握する

自費診療を検討している患者さんを、すべて同じ「検討中」として管理する必要はありません。

例えば、

興味を示している
↓
詳しい説明を受けた
↓
具体的に検討している
↓
家族などと相談している
↓
選択を決定した

というように、患者さんによって検討段階は異なります。

この段階が分かれば、医院側が次に何をすべきかも考えやすくなります。

まだ詳しい説明を受けていないのであれば説明の機会を設ける。費用や内容について迷っているのであれば疑問点を確認する。すでに十分な情報を得て検討しているのであれば、必要以上に働きかけず判断を待つこともできます。

見込み患者を管理する目的は、成約を迫ることではありません。「その患者さんが現在どの段階にいて、何が必要なのか」を把握することです。


見込み患者数から自費診療の課題が見えてくる

見込み患者を継続して管理すると、自費売上だけでは分からなかった問題も見えてきます。

例えば、自費診療を選ぶ患者さんが少なくても、そもそも説明している人数が少ないのであれば、まず説明機会を見直す必要があります。

一方、多くの患者さんへ説明し、検討にも入っているのに最終的な選択につながらないのであれば、説明内容や資料、費用、フォローなど別の部分に課題がある可能性があります。

自費売上という最終結果だけを見るのではなく、説明→検討→選択という途中の数字を見ることで、「どこを改善すべきなのか」を考えやすくなります。


自費診療の経営管理では、「今月いくら売れたか」だけを確認するのでは十分ではありません。

誰に説明し、何人が興味を持ち、何人が具体的に検討し、その後どのような選択をしたのかまで把握することで、自費診療の流れ全体が見えてきます。

そして、検討中の患者さんについて、何に迷っているのか、次にどのような情報が必要なのかを記録しておけば、適切なフォローにもつなげられます。

ただし、見込み患者の管理は営業リストをつくって追いかけるためのものではありません。

自費診療の見込み患者を管理する目的は、「売れそうな患者を管理すること」ではなく、患者さんの検討状況を医院として把握し、必要なときに必要な情報を提供できる状態をつくることです。

一度、自院で自費診療を説明した患者さんを確認してみてください。「今月何件決まったか」だけでなく、「現在何人が、どの段階で検討しているか」まで把握できていますか?
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