こどもへの話し方、迷っていませんか? 院内での適切な言葉遣いと接し方のポイント
こどもへの話し方、迷っていませんか?
クリニックに来院する患者さんは、大人だけとは限りません。小学生や中学生、高校生など、年齢によって接し方が微妙に異なる「こども」たちの対応は、院長やスタッフにとって意外と悩ましいテーマです。
「ため口で話しかけていいのか?」「かといって敬語では距離ができすぎる気がする」――こうした悩みを抱える先生方も多いのではないでしょうか。
今回は、こども患者への言葉遣いや接し方について、院内の方針づくりの参考となるようポイントを整理してみます。
「ため口」は親しみやすさの裏返し?
例えば、小学1年生の子が来院したとき。「今日はどうしたの?」と聞くのと、「今日はどうしましたか?」と聞くのとでは、印象が大きく違います。
前者は親しみやすく、こどもも安心しやすい傾向があります。一方で、あまりにフランクになりすぎると、親御さんから見て「軽い対応をされた」と感じるリスクもあります。
特に気をつけたいのが、「こどもにため口」「親には敬語」という極端な差をつけてしまうパターンです。
親が「うちの子を軽く見てる?」と感じるような対応にならないよう注意が必要です。
「敬語」は丁寧だけど、距離ができることも
一方で、年齢が上がるにつれて、終始ため口での対応が不自然になるケースも増えてきます。
中学生・高校生ともなれば、本人もある程度の“自分”を持っています。あからさまに幼児扱いされたり、過度にフレンドリーにされると、かえって反発を覚える子も少なくありません。
「今日はどうされましたか?」「少し見せてもらってもいいですか?」など、基本的には丁寧語をベースにしつつ、状況に応じて「痛くない?」「これなら大丈夫そうだね」などのカジュアルな表現を織り交ぜることで、バランスの取れた対応が可能になります。
年齢別に考える「話し方のグラデーション」
以下はあくまで一例ですが、話し方の「目安」を年齢層で整理してみます。
年齢層 | 推奨する話し方 | ポイント |
---|---|---|
幼児〜小学校低学年 | 親しみのあるため口中心+語彙をやさしく | 不安を取り除き、信頼関係を築くことが第一 |
小学校高学年 | ため口+丁寧語を場面に応じて | “お兄さん・お姉さん扱い”で対応すると◎ |
中学生〜高校生 | 基本は丁寧語+少しくだけた表現 | 大人に近い存在として対等に接する |
「こども」としてではなく「一人の患者さん」として見る視点
言葉遣いの正解は一つではありませんが、大切なのは「年齢で一律に決めつけない」ことです。
たとえば、同じ中学1年生でも、幼さの残る子もいれば、落ち着いた大人びた印象の子もいます。
初回の対応時はやや丁寧寄りに入り、相手の反応を見て少しずつ言葉のトーンを調整していくのが理想です。
「どの年齢だからこう話す」と決めつけるよりも、「この子はどんな性格?どんな対応が安心につながるか?」という視点を持つことで、自然と適切なコミュニケーションが生まれやすくなります。
保護者との距離感にも配慮を
もう一つ忘れてはならないのが、保護者とのコミュニケーションです。
保護者が同席している場合、こどもへの声かけは、保護者にとっても“聞かれている対応”になります。
その意味で、「保護者が不快に感じない」「むしろ安心する」話し方がベースであるべきです。
また、保護者がその場にいない場合(高校生だけで来院するなど)も、「お母さまにご説明しますね」といった敬語での配慮を忘れずに。
院内でルール化するなら「雰囲気」「目線」「言葉」の三軸で
スタッフ間でもばらつきが出やすいこのテーマは、院内である程度の“共通認識”を持っておくと安心です。
たとえば次のような基準を掲げておくと良いでしょう:
- こどもへの声かけは「目線を合わせて、安心感を重視」
- 年齢が上がるほど「敬語をベースにフランクさを調整」
- 保護者の前では「親しみ+敬意」のバランスを取る
こうしたポイントをマニュアルではなく“共通文化”として定着させることで、接遇レベルのばらつきを防ぐことができます。

まとめ
こども患者への言葉遣いは、ほんの数秒のやり取りですが、その印象は思った以上に大きく残ります。
親しみと敬意、そして安心感。この3つのバランスを上手に取ることで、こどもも保護者も「ここは信頼できるクリニックだ」と感じてくれるはずです。
スタッフ全体での意識共有も含め、日々の接遇の見直しにつなげてみてください。
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