電話対応は、医院の第一印象を決める重要な場面です。
基本や応用でスムーズな対応ができるようになったら、次に目指すべきは「心に残る電話対応」です。
これは単に間違いなく答えることや、クレームを無事に終わらせることではありません。相手が電話を切ったあとに「この医院にして良かった」と感じ、さらに次回の来院や紹介につながるような対応です。
今回は、そのための上級テクニックを解説します。
クリニックにおける電話対応の極意──一歩先を行く信頼構築と患者さんのファン化を実現する
1. 声だけで感情をマネジメントする
上級者は、相手の声色や話す速度から感情を読み取り、それに合わせて自分の声をコントロールします。
- 不安そうな声 → ゆっくり・低めのトーンで安心感を与える
- 急いでいる声 → 歯切れ良く短くまとめて時間配慮を示す
- 怒っている声 → 穏やかで安定したトーンで沈静化を促す
この「声の合わせ方」は、感情の揺れを落ち着かせる効果があり、相手が冷静さを取り戻しやすくなります。
2. 相手の“背景”を引き出す質問力
上級対応は、言われたことだけで終わりません。
「ちなみに今の症状はどのくらい前からですか?」「ほかに気になることはありませんか?」など、会話の中で背景情報を自然に引き出します。
これにより、診察準備や対応の正確さが増すだけでなく、患者さんは「丁寧に聞いてくれた」という安心感を得られます。
3. 短時間で信頼関係を築く“フレーズストック”
即時に信頼感を生むための決まり文句を持っておくことが極意です。例えば:
- 「お電話いただきありがとうございます。お力になれるようにいたします」
- 「安心してください。こちらでしっかり対応いたします」
- 「お話を伺えて良かったです。早めに対応できそうです」
こうしたフレーズは状況別に準備しておき、自然に使えるまで練習します。
4. クレームを“改善の種”に変える技術
クレームを受けた後、「謝罪」で終わらせるのではなく、改善の取り組みと結果を次回につなげます。
「先日はご意見ありがとうございました。あの件はこのように改善しました」と、変化を具体的に伝えると、マイナス印象がプラスの感動に変わります。
これはファン化につながる非常に強力な方法です。
5. 電話対応の“声”をチームの資産にする
上級者の対応は属人的になりがちです。これを医院の資産にするには、優れた対応を録音して教材化します。
月に一度の共有会で「良かった事例」を聞き、なぜ良かったかを分析することで、スタッフ全員のスキル底上げが可能になります。
6. 「切ったあと」までをデザインする
電話を切った直後の患者さんの感情を意識するのが極意です。
「何かありましたらいつでもお電話ください」
「ではお待ちしております。お気をつけてお越しください」
こうした“余韻の一言”は、患者さんの安心感を大きく高め、医院への好意を持続させます。

まとめ
極意とは、相手の感情に寄り添いながら、短時間で信頼を構築し、電話の一本を次回の来院や医院のファン化につなげる技術です。
声の使い方、質問力、決まり文句、クレーム後の活用、チーム共有、そして余韻の一言まで意識することで、電話対応は単なる事務作業から医院の成長を支える戦略的な接遇へと変わります。
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