言葉にしなくても伝わっている:非言語コミュニケーションの力と磨き方


患者さんとの信頼関係を築く上で、「言葉」は確かに大切なツールです。
しかし実は、言葉以上に強く印象を残すのが「非言語コミュニケーション」です。

受付での第一印象、診療室での何気ない仕草、スタッフ同士の雰囲気など、言葉にしなくても患者さんは多くのことを“感じ取って”います。

今回は、特に受付スタッフや院内スタッフが意識したい「非言語コミュニケーション」について、実践的な視点から整理してみましょう。

目次

1. 非言語コミュニケーションとは何か?

非言語コミュニケーションとは、「言葉以外で相手に影響を与えるすべての要素」を指します。
代表的なものには以下のようなものがあります。

これらは、患者さんに安心感や信頼感を与える一方で、逆に不安や不信感を生むこともあります。


2. 第一印象は「無意識のうちに」決まっている

人は出会ってから数秒で相手の印象を決めてしまうといわれています。
特に受付では、患者さんが院内に入って最初に出会う存在であるため、その対応が医院全体の印象を左右します。

たとえば、以下のような場面を想像してみてください:

これらはすべて、患者さんに「歓迎されていない」「流れ作業のよう」といった印象を与えます。

逆に、笑顔で目を見て挨拶し、軽く会釈を加えるだけで、相手の心は緩みます
非言語こそが“無言の接遇”であり、医院の信頼を形づくっているのです。


3. 院長・リーダーが意識すべき「3つの視点」

非言語コミュニケーションは属人的になりやすいため、組織として共有しなければ品質がばらつきます。
リーダーとして次の3つの視点を持って関わることが重要です。

(1) 自分自身がモデルとなる

院長自身が無表情でぶっきらぼうに振る舞っていては、スタッフもそのようになります。
リーダーこそが日々「背中で語る」存在として、非言語の大切さを体現する必要があります。

(2) 具体的な基準を共有する

「丁寧にしよう」「感じよく」は抽象的で、人によって基準が異なります。
「患者さんが来たら3秒以内に目を見て挨拶」「診療中は1メートル以内に入るときは軽く声をかける」など、具体的な行動指針にして共有しましょう。

(3) 定期的に“見える化”する

スタッフ同士でロールプレイを行ったり、院長や外部講師がフィードバックしたりといった「見える化」が大切です。
できていないスタッフを責めるのではなく、改善に向けた共通の目標を持つ場にすることがポイントです。


4. 非言語コミュニケーションのトレーニング方法

非言語の力を伸ばすには、意識的なトレーニングが有効です。
以下に、医院でもすぐに取り入れられる方法をご紹介します。

(1) 表情トレーニング

(2) 動作の確認

(3) 声・言葉以外の練習

一人で行うのではなく、チームで楽しく行うことでモチベーションも上がります。


5. 患者さんは“言葉以上に”スタッフを見ている

「いい医院ですね」と言われるとき、内容はたいてい技術の話ではなく、スタッフの感じの良さです。
特に初診患者さんや不安を抱えて来院する方は、「この医院に任せて大丈夫か」「安心して通えそうか」を非言語から感じ取っています。

非言語コミュニケーションは、まさに“医院の空気”そのもの。
全員が意識を共有し、日々の行動を磨くことで、言葉以上の信頼を生むことができます。


接遇とは、言葉で説明するものではなく、日々の振る舞いから滲み出るもの。
非言語を意識することは、「患者さんの安心感をデザインする」ことに他なりません。

表情、動き、空気感――。
言葉にしないコミュニケーションこそが患者さんの心をつかむ最大の鍵になるのです。


無料リソースのご案内

接遇の質を見直し、今よりさらに良くなれば患者さんとの信頼関係をさらに築くことができます。
当社では接遇研修や満足度調査「E-Pサーベイ」のご相談も承っています。お気軽にご相談ください。


ぜひ下記からご活用ください。


▶ 「接遇・ホスピタリティ」カテゴリの関連記事を探す
▶ カテゴリ検索・人気記事などコラムのトップへ戻る

気づきを行動に変える 無料サポートはこちら

グロースビジョンでは読み物として得た知見を、実際の医院改善に活かすための【無料ツール・サポート】をご用意しています。
先生の大切な1歩を支援します。お気軽にどうぞ。

接遇5原則チェックシート

接遇の基準をシンプルに可視化。
院内研修や個別指導に活用

満足度調査ツール 半年無料

満足度と改善点を数値化できる
E-Pサーベイが半年無料

BSCチェックリスト

医業収入UPの戦略マップづくりに
無料でも75%公開してます

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次