〜“辞めてもらう”ための判断とプロセスを整える〜
辞めさせたいスタッフがいる場合、組織としてどうすれば良いか?【後編】
「このまま置いておく方がリスクになる」と気づくとき
前編でお伝えしたように、
組織に悪影響を与えるスタッフに対しては、感情ではなく構造で向き合うことが重要です。
しかし、すべてのケースが“育てて変えられる”わけではありません。
残念ながら、何をしても本人の行動が変わらない、周囲に与える悪影響が続いているーー
そんなときには、「辞めてもらう」判断も視野に入れる必要があります。
それは「排除」ではなく、「健全な組織づくり」の一環
辞めてもらうという選択は、決して冷酷なものではありません。
むしろ、組織を守るための経営判断のひとつです。
このまま居座られた場合:
- 他のスタッフのモチベーションが下がる
- 言いたい放題がまかり通る文化になる
- 優秀な人材が先に辞めていく
といった、“残るべき人が離れていくリスク”が生まれます。
退職勧奨の前にやるべき3つのこと
辞めてもらうという決断に至る前に、最低限以下のプロセスを踏んでおくべきです。
① 行動記録の蓄積
注意・面談・報告の履歴をしっかり残すことで、「感情的ではない」ことを証明できます。
② 組織基準とのギャップを明確化
「あなたが悪い」のではなく、「組織のルールや価値観と合っていない」という伝え方が有効です。
③ 本人への最終確認
話し合いの場で、「今後どうしていきたいか」「この職場で働き続ける意思があるか」を冷静に問い直すことが重要です。
“辞めさせるための面談”にしてはいけない
面談の目的はあくまで「合意形成」です。
辞めさせたい側の一方的な通告ではなく、相手にも納得の余地を与えることでトラブルの芽を減らせます。
- 「このままでは周囲との関係が難しくなる」
- 「あなたの考え方と職場の方針がかなりずれている」
- 「これまでにも複数回伝えてきたが、改善が見られない」
など、事実ベースで静かに伝えることが大切です。
最後は経営判断。「情」より「責任」
ときには、感情的に情が湧いてしまうこともあります。
「ここまで一緒にやってきたから…」
「もう少し様子を見ようか…」
しかし、スタッフ一人の扱いが、組織全体に影響するのが医療の現場です。
“見て見ぬふり”が現場の空気を腐らせ、良い人材を離職に追いやる。
そのリスクと責任を背負うのは、最終的には院長です。
良い人が残る組織とは、「合わない人が辞める組織」
重要なのは、「全員に合わせること」ではなく、
価値観の合う人たちが働き続けられる環境をつくることです。
そのためには、
- 明確な方針・行動指針の浸透
- フィードバック文化の定着
- 問題があれば早めに対応できる勇気
が不可欠です。
そして、退職という選択も、“良い人が残るための整備”のひとつなのです。

■後編まとめ:判断の先送りが、組織に最も大きなダメージを与える
辞めさせたいスタッフにどう対応するかーー
その正解は、「早く、冷静に、構造的に向き合うこと」です。
感情ではなく責任。
個人ではなく組織。
そして育成と見極めの両立。
それこそが、良いスタッフが安心して働ける組織をつくる土台です。
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