多くのクリニックでは、診療前や診療後に朝礼・終礼を行っています。
しかし、「形式的にやっているだけで効果を感じない」「時間がもったいない」という声も少なくありません。
一方で、うまく運営している医院では、チームの一体感や情報共有、スタッフの成長に直結しています。
ここでは、朝礼・終礼を形だけの儀式ではなく、医院の成長を支える時間に変えるための考え方と実践ポイントをお伝えします。
朝礼・終礼の活かし方
朝礼の目的と役割
朝礼は、1日の診療を円滑に進めるためのスタートミーティングです。
単なる挨拶の場ではなく、情報共有・意識合わせ・モチベーション向上の3つを目的として行います。
- 情報共有
本日の予約状況、急患の有無、特別対応が必要な患者さん、スタッフのシフト変更などを確認します。
これにより、スタッフ全員が同じ情報を持って診療に臨めます。 - 意識合わせ
院内で重点的に取り組みたいこと(例:説明の丁寧さ、感染対策の徹底など)を確認し、全員が同じ方向を向きます。 - モチベーション向上
簡単な成功事例の共有や感謝の一言を伝えることで、雰囲気が明るくなり、その日の診療に良い影響を与えます。
終礼の目的と役割
終礼は、その日の診療を振り返り、改善につなげる時間です。
疲れている時間帯ではありますが、ここを有効活用することで翌日の診療精度が高まります。
- 出来事の共有
困った対応事例やクレーム、患者さんからの感謝の言葉などを共有し、チーム全体の経験値を上げます。 - 改善点の確認
当日の診療で生じた課題(待ち時間が長くなった、説明不足があったなど)を簡単に振り返ります。 - 次回への引き継ぎ
翌日の診療に必要な準備や注意点を共有しておくと、翌日の朝礼がよりスムーズになります。
よくある課題と解決策
- 時間が長すぎる
→ 朝礼は5〜10分、終礼は5分程度を目安に。必要事項を簡潔に伝える工夫が必要です。 - 参加意識が低い
→ 担当制や日替わり司会制にして発言の機会を増やすと、主体性が高まります。 - 話題が固定化する
→ 毎週テーマを変える、他スタッフの成功事例や改善提案を発表してもらうなど変化をつけます。
効果的にするための工夫
- 進行役を決める
院長や事務長だけでなく、日替わりで進行役を任せると、全員の発言力が高まります。 - 前向きな空気をつくる
ネガティブな話題ばかりにならないよう、必ず1つは感謝やポジティブな出来事を共有します。 - 行動につなげる
朝礼・終礼で出た改善点は、次回までにどう動くかを明確にし、再度確認します。 - 可視化する
共有した内容や改善点を簡単にホワイトボードやチャットツールに残すと、欠席者への情報共有にもなります。
朝礼・終礼がもたらす効果
- チーム全員が同じ方向を向くことで、患者さんへの対応が統一される
- 小さな改善を日々積み重ねられる
- スタッフ間のコミュニケーション量が増え、信頼関係が深まる
- 新人スタッフが早く職場に溶け込める
うまくいっている医院がやっている朝礼活用法3選
1. 当日の重点目標を一言で共有する
うまくいっている医院では、朝礼の冒頭に「本日の重点目標」を一言で示しています。
例えば「今日は説明をより丁寧に」「待ち時間の声かけを必ず行う」といった具体的な行動指針です。
これを院長やリーダーが短く伝えることで、その日のスタッフ全員が同じ方向性を意識して動けるようになります。
単なる情報共有に終わらず、行動の軸が明確になるのがポイントです。
2. ポジティブ事例の共有で空気を整える
朝からクレームや課題の話ばかりだと、雰囲気が重くなります。
成功している医院は、必ず一人以上が「昨日あった良い出来事」や「患者さんからの感謝の声」を共有します。
例えば「昨日の初診の患者さんがスタッフ対応をほめてくれた」「治療説明がわかりやすいと感謝された」などです。
これにより、チーム全体の空気が和み、前向きな気持ちで診療をスタートできます。
3. 当日の注意事項を役割ごとに明確化する
朝礼で「今日は混雑が予想されます」と伝えるだけでは不十分です。
うまくいっている医院では、役割ごとに具体的な注意事項を示しています。
例えば「受付は待ち時間の見込みを必ず伝える」「アシスタントは器具の準備を早めに開始」「ドクターは診療説明の簡潔化を意識」などです。
役割別の行動指示に落とし込むことで、情報が“動き”に変わります。

まとめ
朝礼・終礼は、単なる儀式ではなく、チーム力を高めるための投資時間です。
短時間でも目的を持って行えば、スタッフの成長と患者満足度向上につながります。
形式だけで続けるのではなく、自院に合った進め方を模索しながら、医院の文化として根付かせていきましょう。
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