医院の数字、どこまで公表する?

医院経営において、売上や来院数などの数字をスタッフにどこまで共有するかは、多くの院長が一度は悩むテーマです。
公表すれば組織の透明性やモチベーション向上につながる一方、数字が一人歩きして誤解や不満を生むリスクもあります。

今回は、数字を公表する際のメリット・デメリット、公表範囲の考え方、そして運用のヒントをご紹介します。

目次

なぜ数字の公表が議論になるのか

数字は経営の現状を示す「事実」です。

事実を共有することで、スタッフは医院の状況を理解し、自分の行動を改善する材料を得られます。
しかし、同じ数字でも「院長の視点」と「スタッフの視点」では受け止め方が異なります。
売上が上がっていると聞けば「経営は安定している」と感じる人もいれば、「ならば給与も上げてほしい」と考える人もいます。
この“受け止めの差”が、数字の公表に慎重になる理由です。


公表するメリット

  1. 組織の一体感が高まる
     売上や来院数、KPI(重要業績評価指標)を共有することで、スタッフは「医院全体の目標」に意識を向けやすくなります。
     数字が伸びたときはチームで成果を喜び合え、達成感を共有できます。
  2. 業績向上への主体性が生まれる
     数字は結果であり、結果の裏には行動があります
     スタッフが数字を意識すると、自分の業務と医院全体の成果を結びつけて考えるようになります。
  3. 課題の早期発見につながる
     来院数や定着率などの変化を全員で把握していれば、業務フローの改善点や患者さん対応の課題が早めに浮かび上がります。

公表するデメリット・リスク

  1. 誤解や不満を招く可能性
     経営の数字は単純な増減だけで判断できません。
     例えば売上が伸びても、設備投資や人件費増加で利益は減っていることもあります。
     こうした背景を理解しないまま数字だけを見て、誤解や要求が増える場合があります。
  2. 数字だけにとらわれる
     数字は重要ですが、患者さん満足度やスタッフの働きやすさといった“数値化しにくい価値”がおろそかになる危険があります。
  3. 情報流出のリスク
     意図せず外部に数字が漏れ、競合に参考にされる可能性もあります。
     特に売上や利益などの経営指標は慎重な扱いが必要です。

公表する数字の範囲と頻度

数字を公表する際は「範囲」と「頻度」を事前に決めておくことが重要です。

 ※売上や利益は慎重に扱い、全額ではなく前年比や達成率など加工して伝える方法もあります。


公表の方法と運用のヒント


数字の公表は、組織文化や院長の経営方針によって最適解が変わります。
重要なのは、「何のために共有するのか」を明確にし、その目的に合った範囲・方法・頻度で運用することです。
数字はチームを成長させる強力なツールですが、使い方を誤れば逆効果になります。
背景説明と目的意識を持ち、数字を“全員で成長するための指標”として活用しましょう。


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