満足度調査の結果を共有しても、「で、どう改善する?」という段階で議論が止まってしまう医院は少なくありません。
原因は、スタッフの意欲不足や能力不足ではなく、問いの立て方にあります。問いが曖昧だと、改善案は出ません。
本記事は、改善案が出ないときに見直すべき「問いの立て方」を整理します。正解を出させる問いではなく、行動を引き出す問いとは何か。院長やリーダーが会議や共有の場で使える視点を解説します。
改善案が出ないときに効く「問いの立て方」
1.改善案が出ない問いの共通点
改善案が出ない場では、問いそのものがスタッフを止めています。意図せず、考えにくい問いを投げているケースが多く見られます。
- 抽象的すぎる問いになっている
- 原因追及型の問いになっている
- 正解を求める聞き方になっている
- 個人の責任に寄せた問いになっている
「どうすれば満足度が上がる?」と聞かれても、答えは出ません。問いが広すぎると、スタッフは考える前に黙ってしまいます。改善案が出ないのは、問いの設計ミスです。
2.問いは「原因」より「変えられる行動」に向ける
改善につながる問いは、原因探しではなく、変えられる行動に向いています。行動が具体になるほど、答えは出やすくなります。
- どの場面で迷いが出ているか
- 何を一つ変えられそうか
- 今日から試せることは何か
- 影響が小さい改善はどれか
例えば、「なぜ不満が出たのか」ではなく、「次回、同じ場面で何を変えるか」と聞くことで、答えの方向が変わります。問いは未来志向であるほど、改善案を引き出します。
3.良い問いは「考えさせる」のではなく「話したくさせる」
改善案を引き出す問いは、難しい問いではありません。スタッフが自分の経験を思い出し、話したくなる問いです。
そのためには、「正解はない」「否定されない」という前提をつくることが欠かせません。問いが評価につながると感じた瞬間、発言は止まります。
問いは考えさせるものではなく、経験を引き出すための入口として使うべきです。
4.問いのゴールは「一つ決める」こと
問いを投げたあとのゴールは、議論を深めることではありません。次に何を試すかを一つ決めることです。多くの院内ミーティングが形だけで終わるのは、「良い意見が出た」で止まり、行動が決まらないからです。
改善において重要なのは、完成度の高い案ではなく、動かせる案です。完璧を目指すと決断が遅れ、結局何も変わりません。問いは、判断をシンプルにするために使います。
- 今回はどの場面を変えるのか
- 誰が中心になって関わるのか
- 今までやってきたことで何をやめるのか
- いつ、どのタイミングで振り返るのか
この四点が決まれば、改善は一歩前に進みます。一つ決めて試し、振り返る。このサイクルを回せる問いこそが、改善を止めずに前に進める力になります。

まとめ
改善案が出ないとき、多くの医院では「もっと考えてほしい」「意見を出してほしい」と求めがちです。しかし、問題はスタッフではなく、問いの立て方にあります。抽象的で正解を求める問いでは、現場は動きません。
改善につながる問いは、原因ではなく行動に向いています。どの場面で、何を一つ変えるか。今日から試せる小さな行動に焦点を当てることで、答えは自然に出てきます。また、問いは評価や責任追及と切り離すことが重要です。安全に話せる前提があって初めて、経験が共有されます。
問いのゴールは議論ではなく決断です。一つ決めて試し、振り返る。この流れを生む問いを持てるかどうかが、満足度改善を継続できるかの分かれ道になります。
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