治療の途中だった患者さんが、次回の予約を取らずに帰った。その後も来院がない。
あるいは、予約をキャンセルしたまま、次の予約が入っていない。
毎日の診療が忙しいと、こうした患者さんを一人ひとり追いかけることは難しく、そのままになっている医院もあるのではないでしょうか。
しかし、治療中断は患者さんにとって望ましいことではありません。また医院経営の視点から見ても、すでに来院している患者さんとの関係が途切れてしまっている状態です。
新患を増やすことには力を入れていても、治療途中で来院しなくなった患者さんを把握していない。これは非常にもったいないことです。
今回は、治療中断患者を把握し、再来院につなげるために医院ができることを考えてみましょう。
治療が中断した患者をそのままにしていませんか?
まず「誰が中断しているのか」を把握する
治療中断への対策は、対象となる患者さんを把握するところから始まります。
- 次回予約を取らずに帰った患者を確認する
- キャンセル後に再予約していない患者を確認する
- 一定期間来院していない患者を抽出する
- 中断した治療内容を確認する
「最近来ていない患者さんがいる気がする」という感覚では管理できません。例えば、「治療途中で次回予約がなく、○週間以上来院していない患者」など、医院として中断患者の基準を決めておく方法があります。
対象者を定期的に抽出できる仕組みをつくることで、知らないうちに患者さんが離れていくことを防ぎやすくなります。
なぜ治療が中断したのかを考える
患者さんが来院しなくなる理由は一つではありません。
- 予約が取りにくかった
- 治療期間が長く感じられた
- 費用への不安があった
- 痛みがなくなり治ったと思っていた
仕事や家庭の事情、転居など医院側では解決できない理由もあります。一方で、治療の必要性が十分に伝わっていなかった、次回予約を取りにくかった、待ち時間が長かったなど、医院側に改善できる原因が隠れていることもあります。
「来なくなった患者」として処理するだけでなく、中断理由を把握できる範囲で記録していくことが重要です。
「痛くなくなったから終わり」を防ぐ
治療中断が起こりやすいタイミングの一つが、患者さん自身が症状の改善を感じたときです。
例えば、痛みがなくなれば、患者さんは「もう治った」と考えるかもしれません。しかし、医療者側から見れば、まだ治療途中ということがあります。
ここには、医院と患者さんの認識の違いがあります。
「次回も来てください」と伝えるだけではなく、「現在はここまで治療が進んでいます」「次回はこの処置が必要です」「ここで中断すると、このような問題が起こる可能性があります」と説明し、患者さん自身に治療の全体像を理解してもらうことが大切です。
治療中断への対策は、患者さんが来なくなってから始めるものではありません。
治療開始時からゴールまでの見通しを伝え、継続して通院する意味を理解してもらうことも重要な中断対策です。
中断患者へのフォローを仕組みにする
治療途中で来院がなくなった場合の対応も、スタッフ個人の判断に任せないことが重要です。
- 一定期間経過後に対象者を抽出する
- 電話やメッセージなどで連絡する
- 連絡した内容や結果を記録する
- 再予約につながったか確認する
例えば、「キャンセル後○日以内に再予約がなければ連絡する」「治療中断患者を月に一度確認する」といったルールを決めておけば、フォロー漏れを防ぎやすくなります。
連絡する際も、単に「予約を取ってください」と伝えるのではなく、「治療が途中になっていますが、その後いかがでしょうか」と患者さんの状況を確認する姿勢が大切です。
すべての患者さんが再来院するわけではありません。それでも、医院側から適切なフォローを行うことで、治療再開につながる患者さんはいるはずです。

まとめ
新患を増やすことは医院経営にとって重要です。しかし、新しい患者さんを集める一方で、すでに来院している患者さんが治療途中で離れているのであれば、その状況にも目を向ける必要があります。
まず、どのくらいの患者さんが治療を中断しているのかを把握する。そして、中断した理由を確認し、医院側で改善できる原因がないかを考えます。
さらに、治療途中で来院がなくなった患者さんを定期的に抽出し、フォローする仕組みをつくることも重要です。
「新患を何人増やすか」だけではなく、「今来ている患者さんに最後まで安心して通院してもらえるか」を考えることも、医院経営の大切な視点です。
一度、カルテや予約状況を確認してみてください。治療途中のまま、いつの間にか来院しなくなっている患者さんはいませんか?
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