接遇が良いスタッフほど仕事が遅い?丁寧さと効率の両立~患者さんへの気遣いと診療効率は両立できる~

「患者さんへの対応は丁寧なんだけど、仕事が遅いんだよね」

院長から、このような話を聞くことがあります。

患者さんの話をじっくり聞き、笑顔で丁寧に対応する。接遇面では申し分ないスタッフなのですが、一人の患者さんに時間をかけ過ぎてしまい、ほかの業務が滞ってしまう。

一方で、仕事が早いスタッフは、患者さんへの対応が事務的になってしまうこともあります。

では、接遇の良さと仕事の早さは両立できないのでしょうか。

決してそんなことはありません。

大切なのは、丁寧さを減らすことではなく、患者さんにとって必要な対応を、適切な時間で提供することです。


目次

接遇が良いのに仕事が遅いスタッフの特徴

患者さんへの対応が丁寧なスタッフでも、時間の使い方に課題がある場合があります。

  • 患者さんの話を切り上げられない: 会話が長くなっても、途中で終えることに抵抗がある
  • 説明が必要以上に長い: 相手の理解度に関係なく、最初から最後まで詳しく説明する
  • 一つひとつの動作が慎重すぎる: 必要以上に確認を繰り返し、業務に時間がかかる
  • 優先順位をつけるのが苦手: 目の前の患者さんに集中し、周囲の状況が見えなくなる

例えば、患者さんから世間話を始められたとき、会話を終えるきっかけをつかめず、予定より長い時間を費やしてしまうスタッフがいます。

本人は患者さんを大切にしているつもりでも、その間に別の患者さんを待たせているかもしれません。

目の前の患者さんに丁寧であることと、医院全体の患者さんに配慮することは、必ずしも同じではありません。


仕事が早ければ接遇が良いわけでもない

反対に、業務効率ばかりを重視することにも問題があります。

  • 説明を省略する: 必要な情報が伝わらず、患者さんに不安や疑問が残る
  • 患者さんの話を遮る: 相談したいことを十分に伝えられなくなる
  • 作業を急ぎ過ぎる: 確認不足によるミスやトラブルにつながる
  • 対応が事務的になる: 患者さんが大切に扱われていないと感じる

例えば、受付での案内を短時間で終わらせても、患者さんが内容を理解できず、後から何度も質問することになれば、結果的に余計な時間がかかります。

医療機関では、安全上必要な確認や説明を省略して効率化することはできません。

仕事が早いことと、仕事の質が高いことは別です。接遇と効率の両方を考える必要があります。


丁寧さと時間の長さを混同してはいけない

接遇が良いスタッフほど仕事が遅いと感じる背景には、「丁寧な対応には時間がかかる」という思い込みがあるかもしれません。

しかし、患者さんにとって丁寧な対応とは、必ずしも長い時間をかけてもらうことではありません。

例えば、患者さんが知りたいことを簡潔に説明し、疑問が残っていないか確認する。必要な場面では十分に時間をかけ、そうでない場面では手際よく対応する。

こうした時間の使い分けができるスタッフこそ、接遇と業務効率の両方に優れているといえるでしょう。

また、仕事が遅い原因をスタッフ個人の能力だけに求めるのも適切ではありません。

説明資料が整っていない、業務手順が複雑、スタッフ間の連携が悪いといった医院側の問題によって、必要以上に時間がかかっている場合もあります。

院長が「もっと早く仕事をしてほしい」と伝えるだけでは、スタッフは何を改善すればよいのか分かりません。

時間をかけるべき業務と、効率化できる業務を整理することが、丁寧さと効率を両立させる第一歩です。


丁寧さと効率を両立させる4つの取り組み

医院全体で接遇と業務効率を高めるためには、具体的な改善が必要です。

  • 説明内容を整理する: 必ず伝えることと、必要に応じて補足することを区別する
  • 会話の終え方を練習する: 患者さんに失礼なく、自然に次の業務へ移る方法を身につける
  • 業務の優先順位を共有する: 目の前の患者さんだけでなく、医院全体の状況を考えて行動する
  • 時間がかかる原因を確認する: 個人の問題なのか、業務手順や院内体制の問題なのかを見極める

例えば、患者さんとの会話が長くなりやすいスタッフには、「話を短くしなさい」と注意するだけでは不十分です。

「お話を聞かせていただき、ありがとうございます。それでは次のご案内をしますね」といった、自然に会話を終える方法を教える方が実践につながります。

また、説明資料や業務マニュアルを整えることで、丁寧さを維持しながら時間を短縮できることもあります。

スタッフの努力だけに頼らず、医院として効率よく丁寧な対応ができる仕組みをつくりましょう。


接遇が良いスタッフほど仕事が遅いとは限りません。

丁寧さと時間の長さは別のものであり、患者さんが求める対応を適切な時間で提供することが重要です。

また、業務効率を優先するあまり、必要な説明や確認を省略してはいけません。

接遇と効率は対立するものではなく、医院の教育と業務改善によって両立できるものです。

一度、自院のスタッフの働き方を振り返ってみてください。丁寧な対応に時間をかけ過ぎている場面や、逆に効率を優先し過ぎている場面はありませんか?

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