~年上スタッフとの関係に悩むリーダーたちへ~
若いチーフ(主任)は、どう先輩方と向き合うべきか
若くして主任に就いたスタッフが抱える「孤独と緊張」
スタッフの成長にともない、能力や信頼を買われてチーフ(主任)に昇格することは珍しくありません。
しかしその一方で、「年上のスタッフをどう指導すればよいのか分からない」「距離感が難しく、うまく関係が築けない」といった悩みが噴き出すのも、若手チーフ特有の課題です。
とくに医療現場では、経験年数や勤務歴の長さに一定の敬意が払われるため、若いチーフが年上のスタッフに注意や指示を出すことに対して、躊躇やプレッシャーを抱えやすいのです。
「年上」と「部下」、どちらを優先すべき?
若いチーフが悩む場面の多くは、「相手が年上」という事実と、「役割としてリーダーである」という立場の間で板挟みになるケースです。
たとえば、
- 業務ミスをどう伝えるか
- 非協力的な態度にどう対応するか
- 会議や改善提案で意見がぶつかったときにどう調整するか
など、相手の年齢や気質を気にしすぎるあまり、指導すべきことを曖昧にしてしまうということが起きがちです。
遠慮は「優しさ」ではなく「無責任」になることも
年上スタッフに対して遠慮してしまう気持ちは理解できます。
しかし、役職に就いた以上、「伝えるべきことを伝えない」という姿勢は、優しさではなく職務放棄になってしまうこともあります。
むしろ、はっきり伝えないことで、
- 他のスタッフの士気が下がる
- 組織の方針がぶれる
- チーフ自身が“頼りない”と見られる
という悪循環に陥るリスクすらあります。
リーダーの役割は、「人間関係を壊さないこと」ではなく、「職場を良い方向に導くこと」です。
大切なのは「上から言う」のではなく「立場から伝える」
若いチーフが年上のスタッフと向き合ううえで意識すべきなのは、「上から指示する」のではなく、「役割として話す」という姿勢です。
- 「私は上司だからこうしてほしい」ではなく
- 「チーフとしてこの方針を全体にお願いしたい」
というふうに、“個人としての意見”ではなく“組織としての役割”から話すことで、角が立ちにくくなります。
また、伝える内容は
- 感情ではなく事実ベースで
- 直接ではなく一度クッションを置くような表現で
を心がけると、相手の反発を和らげながら対話を進めやすくなります。
「上司らしく振る舞わなければ」は不要です
多くの若手チーフが「もっとしっかりしなきゃ」「威厳を出さなきゃ」と無理をしてしまいますが、それは逆効果です。
リーダーシップとは、偉そうにすることではなく、信頼される存在になることです。
そのためには、
- 話を聞く姿勢
- 公平な判断
- 一貫した言動
など、“態度”ではなく“誠実さ”で信頼を積み上げていくことが何よりも大切です。
院長や上位者が支えるべき「役割承認」
ここで重要になるのが、院長や経営層のバックアップです。
年上スタッフが若手チーフの言うことに納得していない場合、
上司がしっかり「チーフの判断です、組織として支持しています」と明言することが、信頼関係を築くために必要不可欠です。
若手が孤立しないよう、「このチーフは組織の代表である」という位置づけを周囲に対して明確に伝えることが、本人の自信と立場を守ることにつながります。

最後に:向き合う姿勢は、いずれ信頼に変わる
最初からすべてうまくいく必要はありません。
むしろ、悩みながら、試行錯誤しながら、少しずつチームに信頼されていくものです。
ただし、曖昧にしてはいけない場面では、立場として言うべきことを言う勇気を持つこと。
それを繰り返すことで、若いリーダーは“年齢”ではなく“信頼”で立つ存在になります。
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