「自費診療を増やすためにカウンセリングを導入しています」
患者さんとじっくり話す時間を設け、診療・治療・施術の選択肢について説明する体制を整えている医院があります。
それでも、自費率が思うように上がらないことがあります。
カウンセリングの時間を確保すれば、自動的に患者さんが自費診療を選ぶわけではありません。
何を聞き、何を伝え、患者さんがどの程度理解したのか。そしてカウンセリング後にどのようなフォローをしているのか。カウンセリングの「実施」ではなく「中身」を確認することが重要です。
今回は、カウンセリングをしているのに自費率が上がらない医院で見直したいポイントについて考えてみましょう。
カウンセリングをしているのに自費率が上がらない理由
カウンセリングが「自費診療の説明会」になっている
カウンセリングという名前でも、実際には医院側から一方的に説明しているだけになっていることがあります。
- 患者さんの希望を聞く
- 不安や悩みを確認する
- 何を重視しているのかを知る
- そのうえで必要な選択肢を説明する
最初から自費診療の特徴や費用を順番に説明しても、それが患者さんの関心と合っていなければ響きません。
カウンセリングで最初に行いたいのは、「説明すること」より「聞くこと」です。患者さんが何を求め、何に不安を感じているのかを理解してから情報を提供することで、選択肢を自分のこととして考えてもらいやすくなります。
誰にでも同じ説明をしている
説明内容を標準化することは大切ですが、患者さん全員にまったく同じ説明をすることとは違います。
- 患者さんの希望に合わせる
- 必要な情報を重点的に伝える
- 理解度に合わせて説明する
- 質問や反応を見ながら進める
費用を重視する人もいれば、期間、身体への負担、見た目、将来性などを重視する人もいます。
全員に同じ資料を見せ、同じ順番で説明し、「どれにしますか?」と聞くだけでは、カウンセリングの意味が薄れてしまいます。
基本となる説明内容は統一しながら、患者さんが重視していることに応じて説明の重点を変えることが必要です。
カウンセラーの「成約率」だけを追いかけている
自費率を高めようとすると、カウンセリングを担当するスタッフに「もっと自費につなげてほしい」と求めてしまうことがあります。
しかし、成約させることを強く意識すると、患者さんの希望を聞くよりも、自費診療のメリットを伝えることが中心になりやすくなります。
本来のカウンセリングは、患者さんを説得する場ではありません。
どのような希望があるのかを聞き、それぞれの選択肢について必要な情報を提供し、患者さん自身が判断できるよう支援する場です。
その結果として、自費診療が患者さんの希望に合っていれば選択されることになります。
「どうすれば自費を選んでもらえるか」ではなく、「どうすれば患者さんが納得して選べるか」という視点でカウンセリングを設計することが重要です。
カウンセリングの結果を分析していない
カウンセリングを実施しているなら、その結果を確認する必要があります。
- 何人にカウンセリングを実施したか
- どの選択肢が検討されたか
- どの程度自費診療につながったか
- 選ばれなかった理由は何だったか
例えば、100人にカウンセリングをして10人が自費診療を選択した場合、「自費率が低い」で終わらせるのではなく、残りの90人がなぜ選ばなかったのかを確認します。
費用なのか、必要性が伝わらなかったのか、説明が分かりにくかったのか、家族との相談が必要だったのか。あるいは、その患者さんにとって別の選択肢の方が適切だったのかもしれません。
こうした情報を蓄積すれば、説明資料やカウンセリング方法の改善につなげることができます。

まとめ
カウンセリングを導入しただけで、自費率が上がるわけではありません。
重要なのは、患者さんの希望や不安を聞き、その人が判断するために必要な情報を分かりやすく提供できているかです。
また、カウンセリングを実施した人数だけでなく、その後どのような選択につながったのか、選ばれなかった場合にはどのような理由があったのかを確認する必要があります。
カウンセリングの目的を「自費診療を成約すること」にすると、患者さんを説得する方向へ進んでしまう危険があります。
カウンセリングの目的は、患者さんの希望を理解し、複数の選択肢から自分に合ったものを納得して選べるよう支援することです。その質を高めた結果として、自費率の向上にもつながっていきます。
一度、自院のカウンセリングを振り返ってみてください。「自費診療について何を説明するか」ばかりではなく、「患者さんから何を聞くか」まで決まっていますか?
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