「自費診療について説明したけれど、その場では決まらなかった」
自費診療では、患者さんが説明を聞いてすぐに決断するとは限りません。
費用について考えたい。家族と相談したい。ほかの選択肢と比較したい。もう少し詳しく話を聞いてから決めたい。
特に費用が大きくなる自費診療ほど、患者さんが時間をかけて検討するのは自然なことです。
ところが、患者さんから「少し考えます」と言われた後、そのままになっている医院もあります。
売り込みにならないよう患者さんの判断を尊重することは大切ですが、何もフォローしないことと、患者さん自身に選んでもらうことは同じではありません。
今回は、自費診療を検討中の患者さんへのフォローについて考えてみましょう。
自費診療を検討中の患者をそのままにしていませんか?
「検討します」で終わらせない
患者さんがその場で決めなかった場合、その後の状況を把握できるようにしておく必要があります。
- 検討中であることを記録する
- どの選択肢を検討しているか確認する
- 患者さんが気にしていることを記録する
- 次に確認するタイミングを決める
例えば、家族と相談すると話していた患者さんと、費用について迷っていた患者さんでは、その後に必要なフォローも違います。「検討中」という情報だけでなく、なぜその場で決めなかったのかまで分かるようにしておくことが重要です。
担当者だけが覚えている状態にせず、必要な情報を医院内で共有できるようにしておきましょう。
患者が決められない理由を確認する
「少し考えます」という言葉だけでは、患者さんが何に迷っているのか分かりません。
- 費用が気になっている
- 選択肢の違いが分からない
- 家族と相談する必要がある
- 治療や施術への不安が残っている
こうした理由が分からないまま、「決まりましたか?」と確認しても患者さんの判断を支援することにはつながりません。
説明の最後に「何か決めるうえで気になっていることはありますか?」と聞くだけでも、患者さんが迷っている理由が見えてくることがあります。
必要な情報が不足しているのであれば追加で説明し、家族と相談したいのであれば資料を持ち帰ってもらうなど、その理由に合わせた対応ができます。
フォローは「決断を迫る連絡」にしない
検討中の患者さんへのフォローというと、「その後どうされますか?」と連絡することをイメージするかもしれません。
しかし、フォローの目的は自費診療を選ぶよう催促することではありません。
例えば次回来院時に、
「前回ご説明した内容で、分からないところはありませんでしたか?」
「ご家族とご相談されて、何か確認したいことは出てきませんでしたか?」
と声をかける方法もあります。
患者さんが検討している間に新たな疑問が出てくることもあります。その疑問を解消できないまま時間が経てば、「よく分からないから今回はやめておこう」という判断になるかもしれません。
フォローとは決断を迫ることではなく、患者さんが判断するために不足している情報がないかを確認することと考えることが大切です。
検討中の患者を医院全体で把握する
自費診療の説明をしたスタッフだけが検討状況を把握していると、フォローが抜けてしまうことがあります。
- 検討中の患者を一覧で把握する
- 説明した内容を記録する
- 次回確認する担当者を決める
- その後の結果まで記録する
例えば、「次回来院時に受付で確認する」「担当スタッフが再度説明する」など、誰がフォローするのかを決めておきます。
また、検討中だった患者さんが最終的にどの選択をしたのかまで確認することも重要です。
自費診療を選ばなかった場合も、理由を把握できれば説明資料やカウンセリング方法を改善する材料になります。
検討中の患者さんを個人の記憶で管理するのではなく、医院として把握できる仕組みにすることで、フォロー漏れを防ぐことができます。

まとめ
自費診療について十分に説明しても、患者さんがその場で決断しないことは珍しくありません。
だからといって、「検討します」と言われた患者さんをそのままにしてしまえば、疑問や不安が残ったまま判断できなくなることがあります。
大切なのは、なぜ迷っているのかを確認し、検討状況を記録し、適切なタイミングで必要な情報を提供できるようにすることです。
もちろん、患者さんが自費診療を選ばないという判断も尊重しなければなりません。
自費診療のフォローは「成約するまで追いかけること」ではありません。患者さんが納得して結論を出せるところまで、必要な情報提供を続けることです。
一度、自院で自費診療を説明した患者さんを振り返ってみてください。「検討します」と言った後、その患者さんが最終的にどう判断したのかまで把握できていますか?
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