「痛いのが怖い」「少しの刺激でも過敏に感じる」「過去の治療でトラウマがある」――医療現場には“痛みに敏感な患者さん”が一定数います。こうした患者さんは、治療そのものよりも“痛みがくるかもしれない”という不安によって緊張が高まり、声掛けひとつで安心したり、不信感を抱いたりします。
痛みの敏感さは個人差が大きく、相手の感覚を理解した接し方が欠かせません。
今回は、痛みに敏感な患者さんが安心できる声掛けや接し方のポイントを整理します。
痛みに敏感な患者さんに安心感を与える声掛け
“予測できる言葉”で不安を軽減する
痛みに敏感な患者さんは「何をされるかわからない」ことに強い恐怖を抱きます。予測可能な情報を与えることで、痛みへの警戒心は大きく和らぎます。
● 「これから◯◯しますね」と短く予告する
● 専門用語は避け、分かりやすい言葉で説明する
● 刺激があるときは「少し響きますよ」と事前に伝える
● 手順を細かく伝えすぎず、要点だけ伝える
● 言葉と動作を同時にしない(急な動きはNG)
予告の声掛けは、痛みよりも“不安”を和らげる効果があります。
「次に何が起こるか」が分かるだけで、痛みの感じ方は大きく軽減します。
治療中は“寄り添う声”を継続させる
痛みに敏感な患者さんは、治療中に孤独感を感じやすくなります。途中経過の声掛けがあることで、安心して治療を受けられるようになります。
● 「順調ですよ」と途中で安心メッセージを入れる
● 少し長くなる処置では「あと◯分ほどです」と伝える
● 患者さんの表情変化を見ながら間をとる
● 痛そうな素振りがあれば短く確認する
● 不安が強い場合は“声のリズム”をゆっくりにする
言葉は短くても、声の温度が患者さんの安心感を支えます。
“話しかけすぎない会話量”が痛みに敏感な患者さんに適しています。
共感の一言が“痛みの恐怖”を和らげる
痛みに敏感な患者さんは、「弱い」「大げさ」と受け止められることを恐れています。共感的な一言があるだけで、患者さんは大きく心を開きます。
痛みを感じやすい患者さんにとって重要なのは、「あなたの感覚を理解しています」というメッセージです。
治療の前後に「痛みが心配ですよね」「無理のないペースで進めますので安心してください」と伝えるだけでも緊張が和らぎます。
また、痛みを表現した際に“否定しない”ことが最も大切です。
院内で共有したい“痛み敏感さんルール”
痛みに敏感な患者さんは、医院全体として統一した対応を行うと高い満足度につながります。
● 必ず予告を入れるという共通ルール
● 難しい専門用語は使わない
● 表情をよく見て、ペースを下げる
● 無理をさせない空気づくり
● 痛みを訴えたときは全スタッフが“否定のない受け止め方”を徹底
全スタッフで理解しておくことで、医院全体が“痛みに配慮できる場所”として評価されます。
“痛みの感じ方”は人によって異なると理解することが、最も大切な土台です。

まとめ
痛みに敏感な患者さんは、不安の強さや過去の経験によって痛みの感じ方が大きく変わります。
予告の声掛け、落ち着いたトーン、共感の言葉など、小さな気遣いが痛みの恐怖を軽減します。治療の安心感は“技術”だけでなく“接遇”によって大きく左右されます。
患者さんの感情に寄り添う姿勢を持つことで、「ここなら安心して任せられる」と感じていただける接遇が実現します。
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