院長と現場スタッフの間で、主任やチーフ、事務長が疲弊していく——多くのクリニックで見られる典型的な構図です。
上からは「現場をまとめてほしい」と期待され、下からは「院長の意向を押し付けてくる存在」と見られる。こうした板挟み状態は、個人の調整力や性格の問題ではありません。本質は、「役割」「期待」「裁量」の整理がされないまま、中間層に曖昧なポジションを与えている点にあります。
本記事では、板挟みが生まれる構造的な原因と、組織として見直すべきポイントを整理します。
院長と現場の板挟みが起きる本当の原因
1. 上からの期待が“言語化”されていない
板挟みが起きる最初の原因は、院長側の期待が抽象的なまま伝えられていることです。「まとめ役」「橋渡し」「うまくやってほしい」といった表現は、具体的な行動基準を示していません。
- 何を優先すべきかが分からない
- 院長の意向をどこまで代弁してよいか不明
- 判断基準が都度変わる
- 結果だけで評価される
期待が曖昧なままでは、中間層は常に手探りになります。その不安定さが、板挟みの第一歩になります。
2. 現場からは「味方ではない存在」に見える
一方で現場スタッフから見ると、中間層は「上の意向を伝える人」に映りがちです。本人にそのつもりがなくても、役割設計がない限りそう認識されます。
- 現場の声を聞いても決定できない
- 持ち帰るが結論が返ってこない
- 注意だけを任される
- フォローや裁量がない
この状態では、信頼関係は築きにくくなります。結果として、中間層は上下双方から孤立していきます。
3. 「調整役」にすべてを押し付けている
院長と現場の間に立つ人を「調整役」と呼びながら、実際には調整に必要な権限や判断材料が与えられていないケースは非常に多く見られます。
調整とは本来、利害や優先順位を整理し、一定の決断を伴う行為です。それにもかかわらず、「話を丸く収めること」だけが期待されると、中間層は何も決められず、摩耗していきます。調整役が潰れる組織では、構造そのものに無理があります。
板挟みは「人の問題」ではなく、「任せ方の放置」が生み出す現象です。調整という言葉で責任を曖昧にした瞬間から、組織は歪み始めます。
4. 本当の原因は「中間層の役割定義」をしていないこと
板挟みを防ぐために最も重要なのは、「中間層に何を任せているのか」を明確にすることです。
- 判断してよい範囲
- 現場に伝えるべき院長方針
- 持ち帰るべき案件の線引き
- 評価される成果の基準
これらを決めずに役職だけを与えると、板挟みは必然的に起きます。役割・裁量・評価は必ずセットで設計する必要があります。

まとめ
院長と現場の板挟みは、調整力の問題ではありません。
役割が定義されず、期待が曖昧なまま中間層に責任を乗せている構造そのものが原因です。中間層が機能しない組織では、院長の負担も現場の不満も減りません。まずは「何を任せ、何を任せないのか」を言語化することが重要です。
中間層が安心して判断できる組織では、院長の意思は正しく伝わり、現場の声も上に届きます。
板挟みをなくすことは、個人を守るだけでなく、組織全体の健全性を高める取り組みです。
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