クリニックの事務長シリーズ➁──任せ方と管理のバランス


事務長を迎えたからといって、すぐに全業務を任せられるわけではありません。
業務移譲には段階があり、その進め方を間違えると、事務長本人も混乱し、院長との信頼関係にもひびが入ります。


さらに、任せすぎによる管理不行き届きが、思わぬリスクを招くこともあります。
今回は、事務長への業務移譲をスムーズかつ安全に進めるためのポイントを解説します。

目次

1. 移譲の基本原則

事務長への業務移譲は「小さく始め、大きく育てる」ことが鉄則です。
まずは業務の一部を任せ、結果を確認しながら範囲を広げていきます。
移譲の際は以下の3原則を押さえましょう。


2. 段階的な移譲ステップ


3. 任せすぎによるリスクと管理の必要性

事務長による横領事件は全国的に後を絶ちません。長年勤務し信頼されていた人物によるケースも多く、発覚までに数年を要することもあります。
「信頼しているから任せきり」は、院長として危険な判断です。
任せることと、監督を放棄することは別物です。以下のような管理を習慣化しましょう。

これらは不信感を示す行為ではなく、健全な組織を守るための基本です。


4. 信頼関係を損なわない管理のコツ

こうすることで、事務長本人も「院長が自分を監視している」のではなく「組織の仕組みとして行っている」と理解できます。


5. 管理と信頼のバランスが医院を守る

事務長に業務を任せる最大の目的は、院長が診療や戦略に集中できる時間を増やすことです。
しかし、そのために医院の財務や情報を完全に一任してしまえば、思わぬリスクを招く可能性があります。
信頼と管理を両立させることが、長期的な組織安定の鍵です。


事務長への業務移譲は、スモールスタートと段階的な拡大が基本です。
そして、信頼を前提にしながらも、金銭や重要データは必ず院長が定期的に確認する仕組みを残すこと。
この「任せる」と「管理する」のバランスこそが、事務長と院長の健全な関係を保ち、医院を守る土台となります。

次回は「事務長の評価制度と成長支援の方法」を解説し、事務長を組織の要として育てるポイントをご紹介します。


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