使える!ロジカルシンキング➀|クリニック経営になぜ論理的思考が必要なのか

クリニックの経営判断は、日々多くの選択に迫られます。
診療方針やスタッフ配置、新しい治療機器の導入、広告戦略の変更など、その判断は多岐にわたります。これらをすべて経験や勘だけで決めてしまうと、偶然うまくいくこともありますが、再現性が低く、失敗したときの原因も不明確になりがちです。


そこで求められるのが、事実とデータをもとに筋道を立てて考える「論理的思考(ロジカルシンキング)」です。これは医療そのものの質を高めるだけでなく、経営全体の安定性と成長性を大きく左右します。

目次

感覚だけに頼る経営の限界

多くの院長やリーダーは、長年の臨床経験から優れた直感力を持っています。
患者さんの反応やスタッフの動きから瞬時に状況を判断できるのは大きな強みです。しかし、経営判断となると「何となく」で進めることには限界があります。


例えば、患者さんの来院数が減少しているとき、直感では「最近の天候が悪いから」や「季節的なものだろう」と考えるかもしれません。しかし実際には、近隣に新しいクリニックが開業した、予約システムが使いにくくなった、待ち時間が長くなったなど、複数の要因が絡み合っていることが少なくありません。

感覚だけでは本当の原因を特定できず、改善策も的外れになる可能性があります。

論理的思考がもたらす3つの経営メリット

論理的思考を取り入れることで、クリニック経営には次のような効果が期待できます。

直感とデータのバランス

論理的思考は「直感を否定するもの」ではありません。むしろ、経験から得た直感をデータや事実で裏付けることで、より強い説得力を持たせるものです。

直感は速さと柔軟性に優れていますが、裏付けがなければ再現性に欠けます。逆に、データだけに頼ると判断が遅くなり、現場のスピード感を損なうこともあります。
大切なのは「直感で仮説を立て、論理で検証する」というサイクルを回すことです。

論理的思考を育てる第一歩

論理的思考を習慣化するには、次のような小さなステップから始めるとよいでしょう。

こうした積み重ねが、スタッフ全体の思考の質を引き上げます。やがてクリニック全体が「事実をもとに議論する文化」に変わっていきます。

論理的思考と経営全体の仕組み

論理的思考は、経営の判断力を磨くための土台です。しかし、日常的に経営のあらゆる視点を見渡し、抜け漏れなく管理するには、さらに体系的なフレームワークが必要です。


その一つが「バランス・スコアカード(BSC)」です。BSCは財務、患者さん、業務プロセス、学習と成長という4つの視点から経営を整理する仕組みで、論理的思考を組織全体に定着させる強力なツールとなります。

▶BSC(バランススコアカード)については、こちらのまとめからご覧ください。


クリニック経営において論理的思考は、直感的判断を補完し、判断の精度と再現性を高めるための重要なスキルです。


感覚に頼る経営から、事実とデータに基づく経営へとシフトすることで、組織全体の力が底上げされます。そして、この思考習慣が根付いた先には、BSCのような全体管理の仕組みが有効に機能する基盤が整います。


次回は、論理的思考を実践するための基本フレームワークについて解説します。


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今回の連載では、論理的思考を経営に根付かせる方法を解説しています。
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