スタッフに対してのノルマや報奨金➂|ノルマや報奨金に代わる「健全な目標管理」

これまでの記事で、ノルマや報奨金制度のメリットとデメリットを整理してきました。

短期的には成果を上げやすい仕組みである一方、スタッフの不満や組織の分断を生み、患者さん本位の姿勢を損なうリスクがあることも見てきました。では、ノルマや報奨金に頼らず、スタッフが前向きに取り組める「健全な目標管理」をどう構築すればよいのでしょうか。

本記事では、数値に追われない形で成長を促す方法を考えていきます。


目次

BSCの視点を活用する

健全な目標管理を行う上で有効なのが、BSC(バランス・スコアカード)の視点です。BSCは、単なる数値目標ではなく、経営を4つの観点からバランスよく見る仕組みです。

この枠組みを使えば、「売上だけを追う」のではなく、「患者さんの信頼を高める」「スタッフの力を伸ばす」など、医院としての成長に直結する目標を設定できます。

▶BSC(バランススコアカード)については、こちらのまとめからご覧ください。


プロセスを評価する

健全な目標管理では、結果だけでなく「プロセス」に光を当てることが重要です。
例えば自費診療の利用件数だけを追いかけるのではなく、以下のような行動目標を設定できます。

このような「プロセス評価」を重視することで、数字に追われるのではなく、日常業務の改善と成長を意識する文化が育ちます。


チームで達成感を共有する

健全な目標管理では、個人だけでなく「チーム全体」で成果を共有することが欠かせません。チームで達成感を味わえるようにすることで、協力関係が強まり、不公平感も減少します。

数字が伸びなかった場合も、責めるのではなく「何が原因か」を全員で分析し、次の改善策を考える。このプロセスが積み重なると、数字だけに縛られない前向きな組織文化が根付きます。


小さな成功の積み重ねが大切

健全な目標管理を続けるためには、「小さな成功」を意識することが重要です。大きな成果をすぐに求めるのではなく、達成しやすいステップを組み込むことで、スタッフが前向きに取り組めます。

例えば:

これらを積み重ねることで、結果的に大きな変化や成果へとつながります。


モチベーションを支えるのは「承認」

ノルマや報奨金と違い、健全な目標管理では「承認」が大きな役割を果たします

スタッフが努力したプロセスや改善を、院長やリーダーがきちんと認めること。それ自体が強力なモチベーションになります。お金ではなく「信頼」「感謝」「成長実感」が、医療現場では最も持続的なやる気を支えます。


健全な目標管理とは、数字を完全に排除するのではなく、数値を「振り返りの道具」として使いながらプロセス・チーム・成長を重視する仕組みです。

BSCのような枠組みを用いれば、医院の目標を「財務」「患者さん(顧客)」「業務プロセス」「学習と成長」のバランスで整理できます。結果ではなくプロセスを評価し、小さな成功を積み重ね、承認と感謝を大切にすることで、スタッフが前向きに成長し続ける文化が育まれます。

次回は、院長・リーダーが取るべきスタンスについて掘り下げていきます。

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