クレーム対応というと「トラブルが起きた後にどうするか」が注目されがちですが、もっと大切なのは“起きる前に防ぐこと”です。そしてその鍵は、意外にも「説明の質」にあります。
対応は丁寧でも、説明が不十分・不明瞭・一方的であれば、患者さんは不安や不満を抱き、やがて怒りやクレームへと変わります。一方で、説明が的確である医院ほど「安心感がある」「信頼できる」という印象が定着し、クレームも激減します。
本記事では、クレームの芽を事前につむための「説明の質」のチェック法をご紹介します。
クレームが起きる前にできる「説明の質」チェック法
クレームの多くは“説明不足”から生まれている
患者さんのクレーム内容を見ると、「対応が悪い」よりも「聞いていない」「知らなかった」「説明がなかった」が圧倒的に多くを占めます。これは医院側に“悪意”がなくても起こるトラブルであり、つまり説明さえ改善できれば、発生率は劇的に下げられるということです。
● わからないまま待たされている
● 聞いたつもり・伝えたつもりになっている
● 説明が長く、肝心な点が抜けている
● 「患者さん目線」でない説明になっている
● 大事なことを「後出し」してしまう
説明不足は、患者さんに“置き去り”の感覚を与えます。
説明の質を高めるチェックポイント
「わかりやすい説明」は感覚ではなく、技術です。誰が対応しても説明の質を一定に保つためには、言葉・順番・情報量に「院内基準」を設けることが重要です。
● 必要な情報は「先に・短く・はっきり」伝える
● 専門用語は例え話・日常語に置き換える
● 「説明 → 確認 → 安心」の順で話を組み立てる
● 想定される不安は先に解消しておく
● 説明の終わりに「質問はありますか?」と必ず確認
質の高い説明は、患者さんの“心配コスト”を下げます。
“伝えたつもり”を防ぐ院内コミュニケーション
患者さんへの説明は、話した内容ではなく「患者さんの理解」で成立します。説明者が満足するのではなく、「相手がわかったかどうか」を確認できたときに初めて完了です。そのためには、説明を「一方通行で終わらせない」ことが大切。対話形式や双方向の確認がある医院ほど、クレームが起きにくくなります。
説明は、「情報提供」ではなく「不安解消」という視点で行うべきものです。説明後に「安心しているか」「理解した表情か」を観察し、必要があれば言い換え・補足をする。これが“説明力の高い医院”に共通する姿勢です。
説明トラブルを防ぐ院内ルール化のすすめ
説明の質は、個人の力量に頼るとばらつきが出ます。医院全体で安定した対応を提供するためには、“基準化・共有・振り返り”が不可欠です。
● よくある説明項目をリスト化して標準化
● 説明にかけるべき時間の目安を決める
● 新人にも同じ質で説明できるようフレーズ化
● クレーム要因は必ず「説明」に立ち返って振り返る
● 現場で困った表現はその場で改善・共有
説明の質は「院内で育てるスキル」です。

まとめ
クレーム防止の最良策は「結果への対応」ではなく「事前の説明」です。患者さんは不親切な対応よりも、「知らされていないこと」に強く不満を覚えます。逆に、事前にわかりやすく案内されていれば、多少の不便や待ち時間があっても納得してくださいます。
説明の質を高めることは、トラブルを減らすだけでなく、医院への信頼を育てる“投資”でもあります。今日からぜひ、説明を「接遇の要」として見直してみてください。
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