医療現場で起こるトラブルや業務の抜け漏れの多くは、「言ったつもり」「伝えたつもり」が原因です。忙しい場面では伝えた記憶だけが残り、実際には相手に届いていないケースが少なくありません。
さらに、相手側も「聞いたつもり」になってしまうため、双方の思い込みが重なるとミスや誤解が発生します。情報伝達は“個人の記憶”に依存すると必ず限界が来ます。だからこそ、伝達を仕組み化し、誰が聞いても同じ情報が共有される体制を整えることが重要です。
本記事では、その仕組みづくりの基本を解説します。
「言ったつもり」をなくす情報伝達の仕組み
1. 人は“覚えているようで覚えていない”と理解する
伝達ミスの根本にあるのは、「人間の記憶は曖昧で不確か」という前提を忘れがちなことです。医療現場のようにマルチタスクが多い環境では、聞いた内容がすぐに別の作業で上書きされ、記憶の精度が大きく低下します。
だからこそ“記憶に頼らない”伝達が基本になります。伝えた側・受け取った側の両方が、同じ認識を持てる状態を作る必要があります。
- 多忙時ほど記憶の正確さが落ちる
- 「分かったつもり」が勘違いを生む
- 人は曖昧な情報を埋め合わせて解釈する
- 記憶依存の伝達は必ず抜け漏れを生む
「覚えているはず」を前提にしないことが、仕組み化の第一歩です。
2. 情報は“必ず形に残す”ルールがミスを減らす
口頭だけの伝達は一度きりで消えてしまい、誤解や抜けが発生しやすくなります。
そこで必要なのが、情報を必ず“形に残す”仕組みです。メモ、タスク管理、共有ノート、チャット記録など、ツールは何でも構いませんが、「伝達=記録」がセットになった状態をつくることが重要です。
これにより、確認・修正・再共有が容易になり、伝達ミスが大幅に減ります。
- 必ず書面かデジタルで残す
- 情報の置き場所を1か所に統一する
- その日の伝達事項を全員が見返せる状態にする
- 不明点を質問できる運用ルールをつくる
情報に“戻れる”仕組みは、抜け漏れを劇的に減らします。
3. 伝達の質は“確認プロセス”で決まる
情報伝達は「伝えたら終わり」ではなく、「伝わったことを確認して初めて成立する」ものです。相手の反応だけで判断せず、具体的に内容が理解されているか確認するプロセスが不可欠です。
確認を形式化すると、忙しい現場でも伝達の精度を保つことができます。
また、確認をルール化すると、先輩・後輩・役職に関係なく、伝達の質が均一になります。
確認のプロセスを丁寧に行うことで、曖昧な指示が減り、スタッフ同士の認識のズレが小さくなります。
小さな確認が積み重なることで、組織全体の情報伝達の精度が一気に高まります。
4. 情報伝達は“二重化”させると精度が上がる
伝達の確実性を高めるために効果的なのが、“二重化”です。口頭+記録、記録+共有、共有+確認など、2種類以上の伝達手段を組み合わせることで、誤解や抜けをほぼゼロにできます。
重要な連絡ほど、二重化の効果が大きくなります。
- 口頭で伝える+チャットに残す
- 朝礼で共有+共有ノートに記載
- 伝達後に相手が“復唱”して確認
- タスク化して完了時にチェックできるようにする
二重化は手間ではなく、トラブルを未然に防ぐ“保険”です。

まとめ
「言ったつもり」「聞いたつもり」がなくなると、職場のミスや誤解は一気に減ります。記憶に頼らず、情報を形に残し、確認を仕組み化することで、誰がいても同じ質の情報共有が実現します。伝達の精度は医院の安全性と業務効率を高める大きな要素です。
情報伝達が安定すると、スタッフ同士の信頼が深まり、安心して働ける雰囲気が生まれます。結果として、業務のスピードも質も上がり、患者様に提供できるサービスのレベルも向上します。
伝達の仕組みづくりは、医院の基盤を強くする最も確実な投資です。
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