クリニックが成長し、人が増え始めるタイミングは、大きなチャンスである一方、最も組織が不安定になりやすい時期でもあります。
「人数は増えたのに、なぜか回らない」「トラブルが増えた」「院長が以前より疲弊している」と感じ始めたら、それは“組織拡大の準備不足”が原因かもしれません。
拡大期に問題が噴出する医院には共通点があります。それは、整える順番を間違えていることです。
本記事では、組織を広げるときに最初に手を付けるべき3つのポイントを整理し、安定成長につなげる考え方を解説します。
組織を拡大するときに“最初に整えるべき3つ”
1. 役割と責任の「線引き」を先に決める
組織拡大で最初に起こる混乱は、「誰が何をやるのか分からない」状態です。人数が少ないうちは暗黙の了解で回っていても、人が増えると責任の所在が曖昧になり、ミスや不満が増えます。成長期の医院ほど、役割と責任の線引きを早めに言語化する必要があります。
- 役割ごとの担当範囲が明確になっているか
- 判断してよいこと・確認が必要なことが整理されているか
- 「とりあえず院長に聞く」状態になっていないか
- 責任の押し付け合いが起きていないか
線引きが明確になることで、スタッフは迷わず動けるようになり、院長の判断負荷も大きく軽減されます。拡大期ほど「まず役割」を整えることが、組織安定の土台になります。
2. 判断基準を「人」ではなく「ルール」に寄せる
組織が大きくなると、すべてを人の感覚で判断することは限界を迎えます。拡大に失敗する医院ほど、「その時の状況」「その人の性格」「院長の気分」で判断が変わりがちです。これが不公平感や不信感を生みます。
- 判断に迷ったときの基準が存在しているか
- 注意・指導の基準が人によって変わっていないか
- 特定の人だけが優遇・例外扱いされていないか
- 「前はOKだった」が頻発していないか
判断基準をルールに寄せることで、現場の納得感が高まり、院長・リーダーも感情的な消耗を防げます。拡大期には「判断の属人化」を減らすことが極めて重要です。
3. 情報と方針を“伝わる形”で揃える
組織拡大期に見落とされがちなのが、「伝えたつもり」の増加です。人数が増えると、情報は自然には共有されません。院長やリーダーの頭の中にある方針や意図が言語化されていないと、現場は推測で動くことになります。
その結果、「そんなつもりじゃなかった」「聞いていない」「解釈が違う」といったズレが頻発し、組織の摩擦が大きくなります。拡大期ほど、情報・方針・期待値を“同じ形”で揃える必要があります。
文章・図・チェックリストなど、形に残る共有方法を持つことで、認識のズレは大幅に減ります。情報共有は回数よりも「伝わり方」が重要です。拡大期の組織を安定させる鍵は、情報の見える化にあります。
4. 院長一人で抱えない「意思決定の仕組み」を持つ
組織を拡大するほど、院長がすべてを決める体制は限界を迎えます。にもかかわらず、判断を手放せないまま拡大すると、意思決定が遅れ、現場は停滞します。
- 院長が不在だと止まる業務が多くないか
- 小さな判断まで院長決裁になっていないか
- リーダーが「考える役割」を持てているか
- 会議が報告だけで終わっていないか
仕組みとして任せる範囲を決めることで、院長は本来注力すべき経営判断に集中できます。拡大期には「誰が決めるか」を明確にすることが不可欠です。

まとめ
組織を拡大するときに最初に整えるべきなのは、人の数ではなく「仕組みの順番」です。
役割、判断基準、情報共有、意思決定。この4つが整っていないまま人を増やすと、混乱は必ず起きます。逆に、順序立てて整えれば、組織は自然と安定して回り始めます。
拡大期は、問題が起きてから整えるのでは遅いフェーズです。今は小さな違和感でも、放置すれば大きな組織リスクになります。
早い段階で仕組みを整えることが、成長を止めない最大の防御策になります。
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