人が辞めるのは、どのクリニックでも起こり得ることです。しかし、ある医院では退職があっても組織は安定し、別の医院では一人辞めるたびに現場が混乱し、空気が重くなっていきます。
この差は、人材の質や採用の問題ではありません。人が辞めた「後」に、組織として何が残り、何が失われているかの違いです。本記事では、人が辞めるたびに弱体化していく医院に共通する構造的な問題を整理します。
人が辞めるたびに組織が弱くなる医院
1. 業務と判断が特定の人に依存している
人が辞めるたびに組織が弱くなる医院では、業務や判断が特定の人に強く依存しています。その人が担っていた役割や判断基準が言語化されておらず、引き継ぎも形式的です。結果として、退職は単なる人員減ではなく、機能の喪失になります。
- 仕事のやり方が人ごとに違う
- 判断基準が共有されていない
- 引き継ぎが属人的
- その人しか分からない業務がある
本来、退職は「入れ替わり」で済むはずの出来事です。しかし属人化が進んだ組織では、退職のたびに業務の穴が空き、周囲がカバーに追われます。その負担が不満を生み、次の退職を呼び込みます。
人が辞めることで弱くなるのではなく、人に依存したまま組織をつくってきたことが弱体化の原因です。
2. 退職のたびに「やり直し」が発生する
組織が弱くなる医院では、退職が起きるたびに、業務も関係性もゼロからやり直しになります。ノウハウが蓄積されず、毎回同じ失敗を繰り返します。経験が組織に残らないため、人が変わるたびに組織年齢が若返ってしまいます。
- 過去の改善が引き継がれない
- 同じ問題が繰り返される
- 新人教育が場当たり的
- 仕組みが育たない
退職を「個人の問題」として処理すると、組織は何も学びません。本来は、退職こそ組織を見直す材料になるはずです。しかし振り返りや整理が行われないと、経験は消え、同じ構造が温存されます。
その結果、人が辞めるたびに組織はリセットされ、成熟しない状態が続きます。
3. 残った人の負担が静かに増えていく
人が辞めた後、業務は自然に減るわけではありません。多くの場合、残った人がその分を引き受けます。一時的な「頑張り」で回っているように見えても、その負荷は確実に蓄積します。
しかも、負担増加は明確に可視化されないため、「なんとなく疲れる」「余裕がなくなる」という感覚だけが広がっていきます。
この状態が続くと、組織全体の余力が失われ、新しい取り組みや改善に手が回らなくなります。
4. 本当の問題は「人が辞めても残る設計」がないこと
人が辞めるたびに弱くなる医院に欠けているのは、人が抜けても機能が残る設計です。業務、判断、教育が人に紐づいたままでは、退職の影響を吸収できません。
- 業務が仕組み化されていない
- 判断基準が言語化されていない
- 育成プロセスが属人的
- 組織としての学習がない
人は必ず入れ替わります。問題は辞めることではなく、残らないことです。

まとめ
人が辞めるたびに組織が弱くなる医院では、退職が「事故」のように扱われています。しかし実際には、退職は組織構造の結果として起きています。業務が属人化し、経験が蓄積されず、負担が静かに偏っていく。その状態で誰かが辞めると、組織は一段と脆くなります。
本当に強い組織は、人が辞めても大きく揺らぎません。業務や判断が仕組みとして残り、経験が次に活かされます。退職を「損失」で終わらせず、「組織に何が残ったか」を点検することが重要です。
人が入れ替わる前提で設計された組織だけが、長く安定します。辞める人を止める前に、辞めても弱くならない構造をつくること。それが、医院を持続させるための本質的な取り組みです。
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