スタッフ育成のために、一人ひとりに個人目標を設定している医院があります。
「患者さんへの説明力を高める」「○○の業務を一人でできるようになる」「後輩を指導できるようになる」など、目標を持って仕事をすることはスタッフの成長にとって大切です。
しかし、期初や面談で目標を決めたものの、その後ほとんど確認されず、半年後や一年後の面談で初めて振り返るというケースも少なくありません。
これでは、個人目標が「書いただけの目標」になってしまいます。
スタッフを成長させるために重要なのは、目標を設定することではなく、目標を具体的な行動に変え、その進捗を継続して確認することです。
今回は、スタッフの個人目標を設定するだけでは成長しない理由について考えてみましょう。
スタッフの個人目標を設定するだけでは成長しない理由
抽象的な目標では行動につながらない
個人目標は、本人が「何をすればよいか」が分かる内容にする必要があります。
- 目標を具体的にする
- 達成の基準を明確にする
- 期限を設定する
- 必要な行動まで決める
例えば、「患者対応を向上させる」という目標だけでは、具体的に何をすればよいのか分かりません。「患者さんへの説明後に理解できたかを必ず確認する」「3か月以内に○○の説明を一人でできるようになる」など、行動や到達点まで具体化することで、日々の仕事につなげやすくなります。
医院の目標と個人目標をつなげる
スタッフの個人目標は、本人の成長だけを考えて設定するものではありません。
- 医院が目指す方向を共有する
- 本人に期待する役割を伝える
- 必要な能力を明確にする
- 本人の希望も取り入れる
例えば、医院として新人教育を強化したいのであれば、経験のあるスタッフには「後輩を指導できるようになる」という目標が考えられます。一方で、本人が専門的な知識を深めたいと考えているなら、その希望も踏まえて目標を設定します。
医院から一方的に与えるのでも、本人だけに決めてもらうのでもなく、医院が求める成長と本人が目指す成長をすり合わせることが重要です。
目標を忘れてしまうのは本人だけの問題ではない
目標を設定した直後は意識していても、日々の業務が忙しくなると、次第に目の前の仕事が優先されるようになります。
半年後の面談で「そういえば、こんな目標を立てていましたね」となるのであれば、目標管理が機能しているとはいえません。
そこで必要なのが、途中で振り返る機会です。
「今どこまでできているのか」「何ができるようになったのか」「どこで止まっているのか」を定期的に確認します。進んでいなければ、その理由も一緒に考えます。
本人の努力不足とは限りません。経験する機会がなかった、指導する人がいなかった、通常業務が忙し過ぎたなど、医院側に原因があることもあります。
個人目標は本人に持たせて終わりではなく、医院側も達成を支援するものと考えることが大切です。
定期的な振り返りで次の行動を決める
個人目標をスタッフの成長につなげるには、継続的な確認が必要です。
- 定期的に進捗を確認する
- できるようになったことを評価する
- 達成できない原因を確認する
- 次に取り組む行動を決める
例えば、月1回や数か月に1回の面談で目標を確認するだけでも、「設定して終わり」を防ぐことができます。また、目標達成までに状況が変われば、内容を修正しても構いません。
大切なのは、最初に決めた目標を守り続けることではなく、その時点でスタッフの成長につながる目標になっているかを確認し続けることです。

まとめ
スタッフの個人目標は、設定するだけで成長を生み出すものではありません。
目標を具体的な行動へ落とし込み、医院の方向性や本人の役割と結び付け、定期的に進捗を確認することが必要です。そして、達成できていない場合には本人を責めるのではなく、何が妨げになっているのかを確認し、必要な支援を行います。
個人目標は、スタッフを評価するためだけのものではありません。「次に何ができるようになるのか」を本人と医院が共有し、その成長を継続して支援するためのものです。
一度、スタッフの個人目標を確認してみてください。目標を決めた後、「今どこまで進んでいるか」を定期的に確認できていますか?
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