「どうせ言っても変わらない」
「なんで私ばっかり」
「院長は現場のことを分かっていない」
多少の愚痴は誰にでもあります。仕事をしていれば不満を感じることもありますし、同僚に話を聞いてもらうことで気持ちが楽になることもあるでしょう。
問題は、それが日常化しているスタッフです。
何かあるたびに不満を口にする。新しい取り組みが始まればまず文句を言う。そして周囲のスタッフまで巻き込んでいく。
この状態を「まあ、あの人は愚痴が多いから」で済ませていると、本人だけでなく職場全体の雰囲気にも影響します。
一方で、愚痴をすべて禁止すればよいわけでもありません。その中には医院が改善すべき問題が含まれていることもあります。
今回は、愚痴が習慣になっているスタッフに対して、どのように向き合えばよいのかを考えてみましょう。
愚痴体質スタッフをどうにかしたい
まず「愚痴」と「問題提起」を分ける
スタッフから不満が出たとき、すべてを愚痴として片づけないことが大切です。
- 何に不満を感じているのか確認する
- 具体的な事実があるのか聞く
- 改善可能な問題かを考える
- 単なる感情の繰り返しかを見極める
例えば、「最近忙しすぎる」という言葉だけでは愚痴にも聞こえます。しかし、特定の時間帯に業務が集中している、一部のスタッフだけ残業が増えているという事実があれば、医院側が確認すべき問題です。反対に、具体的な問題を聞いても「なんとなく嫌」「とにかく大変」と不満だけが繰り返されるのであれば対応は変わります。
愚痴を黙らせるのではなく、その中に改善すべき事実があるのかを最初に確認しましょう。
愚痴だけで終わらせず「では、どうする?」と聞く
愚痴が多いスタッフには、不満を言った後の考え方を変えてもらうことも必要です。
- 「どうなればよいと思う?」と聞く
- 本人にも改善案を考えてもらう
- 自分でできることを確認する
- 必要なら医院側の対応を決める
毎回「そうだよね、大変だよね」と聞いているだけでは、愚痴を言えば誰かが受け止めてくれる関係が続いてしまいます。「それは困っているんですね。では、どう変えればよいと思いますか?」と一歩先まで考えてもらいます。本人から改善案が出れば一緒に検討できますし、自分自身にもできることが見つかるかもしれません。
不満を口にするところで終わらせず、改善を考えるところまでをセットにすることが重要です。
周囲へ愚痴を広げる行動は別に考える
本人が上司との面談などで不満を伝えることと、日常的に周囲へ愚痴を広げることは同じではありません。
休憩時間や仕事中に繰り返し誰かの悪口を言う。新しいスタッフにも医院への不満を吹き込む。何か決まるたびに「また院長が勝手に決めた」と周囲へ話す。
このような状態になると、単なる本人のストレス発散ではなく、職場全体への影響を考える必要があります。
特に問題なのは、本人の不満に周囲が引っ張られ、今まで特に不満を持っていなかったスタッフまで否定的になってしまうことです。
その場合には、「愚痴を言わないで」ではなく、「不満や改善要望は責任者へ伝えてほしい。周囲へ繰り返し不満を広げることは職場の雰囲気に影響するのでやめてほしい」と、問題となっている行動を具体的に伝えます。
不満を持つことと、その不満を職場中へ広げることは分けて考える必要があります。
不満を伝える正式なルートをつくる
愚痴を減らしたいのであれば、スタッフが不満や問題を伝えられる場所も必要です。
- 個人面談で意見を聞く
- ミーティングで改善提案を受ける
- 誰に相談するのかを明確にする
- 出された意見への回答を返す
「愚痴を言うな」と言いながら、院長へ意見を言う機会がまったくない医院では、不満がスタッフ同士の会話へ流れるのも当然です。すべての要望を受け入れる必要はありませんが、「この件はこういう理由で変更しません」と回答することはできます。
意見を言える場所と、その意見に対する回答があることで、単なる陰口ではなく正式な問題提起へ変えやすくなります。愚痴を減らすには、スタッフ側だけでなく医院側にも「意見を受け止める仕組み」が必要です。

まとめ
愚痴の多いスタッフを見ていると、「もっと前向きに考えてほしい」と思うこともあるでしょう。
しかし、人の性格そのものを変えようとしても簡単ではありません。
医院としてできるのは、愚痴が出たときの扱い方を変えることです。
まず、その不満に改善すべき事実があるのかを確認する。問題があるなら改善する。そして本人にも「では、どうすればよいと思う?」と考えてもらいます。
一方で、周囲へ繰り返し不満を広げ、職場へ悪影響を与えているのであれば、その行動については明確に注意する必要があります。
同時に、個人面談やミーティングなど、スタッフが正式に意見を伝えられるルートも用意しておきましょう。
目指したいのは「愚痴を言わない職場」ではありません。不満があれば問題として伝え、改善できることは改善し、できないことは理由を共有して前へ進める職場です。
一度、自院を振り返ってみてください。スタッフの愚痴を放置するだけでも、逆に封じ込めるだけでもなく、「不満を改善提案へ変える仕組み」をつくれていますか?
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