中堅スタッフを育成側に回すときの注意点

医院運営では、ある程度経験を積んだ中堅スタッフに新人教育を任せる場面が増えてきます。現場を理解しており、業務経験もあるため、「そろそろ教える側に回ってもらいたい」と考えることは自然な流れです。

しかし、中堅スタッフを育成側に回すことは、単純な役割追加ではありません。今まで「教わる側」「自分で仕事をする側」だった人が、「人を育てる側」に変わる大きな転換でもあります。

本記事では、中堅スタッフを育成側に回すときの注意点について整理し、無理なく育成者へ成長してもらうための考え方を解説します。


目次

仕事ができることと教えることは違う

中堅スタッフを教育側にする際によく起こるのが、「仕事ができる=教えられる」と考えてしまうことです。

このような状態では、自分では自然にできていても、新人には伝わりにくくなります。

また、中堅スタッフ自身も「どう教えればいいのか分からない」と戸惑うことがあります。

今まで自分がやれば終わっていたことを、人に伝える側になるため、必要な能力が変わります。

育成では、「できる力」だけではなく、「伝える力」も必要になります。


最初から教育責任を背負わせない

教育を任せる際に、「全部お願いね」という形になると、中堅スタッフは大きなプレッシャーを感じやすくなります。

このような状態では、教育そのものが負担になりやすくなります。

また、中堅スタッフは責任感が強い人も多いため、「自分の教え方が悪いのでは」と抱え込みやすくなります。

教育経験が少ない段階では、本人自身も育成途中です

最初から完璧な教育担当者を求めるのではなく、「教える経験を積む段階」と考えることが重要です。


教える側のフォローも必要になる

新人教育では、新人へのフォローばかりに意識が向きやすくなります。しかし実際には、教える側になった中堅スタッフにも支援が必要です。

例えば、「新人が思うように成長しない」「どう伝えればよいか分からない」と感じても、相談できる場がなければ、一人で抱え込んでしまうことがあります。また、「自分は教育に向いていない」と感じ、自信を失うこともあります。

育成が進む医院では、中堅スタッフ自身にも定期的な振り返りや相談機会を設けています。「新人育成はどう?困っていることはある?」という関わりを行うことで、不安や負担を軽減しています。

重要なのは、「新人を育てること」だけではなく、「育成者を育てること」です。


教える経験が次のリーダー育成になる

中堅スタッフが育成側に回る経験は、単なる教育業務ではありません。将来的なリーダー育成にもつながります。

このような変化は、本人自身の成長にもつながります。

また、人に教える経験をすると、自分の仕事も整理されやすくなります。「なぜそうするのか」を考える機会が増えるためです。

さらに、「自分も育ててもらった」という経験がある人ほど、次世代育成にも良い影響を与えやすくなります。

教える経験は、新人だけではなく、教える側自身も育てる機会になります。


中堅スタッフを育成側に回すときの注意点は、「仕事ができるから任せる」だけで終わらせないことです。

仕事ができることと、教えることは別の能力です。また、最初から教育責任をすべて背負わせると、本人が疲弊してしまうこともあります。

重要なのは、中堅スタッフ自身も育成途中であると考えることです。

新人に教える人を育てるためには、相談機会や振り返りの場を作り、教える側も支援する必要があります。

まずは、自院の教育体制を振り返り、「教える側を育てているか」「任せっぱなしになっていないか」を確認してみてください。

その見直しが、新人定着率向上だけでなく、将来のリーダー育成や組織力向上にもつながる大切な改善になります。


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