クリニック運営において、受付・診療室・会計はもっともミスが起きやすい「3つの接点」です。
患者さんはこの導線すべてを通過するため、どこか1つでミスが起きるだけで医院全体の信頼が揺らいでしまいます。忙しさ・情報共有不足・思い込みなど、現場の“当たり前”が積み重なることで誤りが生まれやすくなるのです。
本記事では、それぞれの場面で起きやすい典型的なミスを整理し、具体的な改善策をご紹介します。
受付・診療室・会計でミスが起きやすい理由と改善
■ 1. 受付でミスが多発する理由と改善ポイント
受付は“情報の入口”であり、ここでのミスは後工程にすべて連鎖します。患者さんとのコミュニケーションも多く、思い込みや聞き漏れが発生しやすい場所です。
● 聞き取り項目がスタッフごとにバラバラ
● 保険証チェックの見落とし
● 来院目的が曖昧なままカルテに反映
● 忙しい時間帯に口頭伝達のみで処理
● 患者さんの言い回しを正確にメモできていない
受付は 「標準化された聞き取り項目」「声掛けの統一」「入力前の復唱」 がミス削減の鍵になります。
受付は最も“情報のズレ”が生まれやすい場所であるため、チェックリストとルール化が必須です。
■ 2. 診療室でミスが起きる構造とその改善
診療室は、医師・有資格従事者・アシスタントなど複数スタッフが関わるため、細かな情報共有のズレが起きやすくなります。また、患者さんは緊張しているため、診療内容の認識違いも発生しがちです。
● 指示が口頭のみで記録に残らない
● 忙しさで“聞いたつもり・伝えたつもり”が起きる
● 患者さんへの説明が不足して誤解につながる
● 治療内容とカルテ記載のタイムラグ
● 治療器具や材料の準備漏れ
改善のポイントは 「指示の言語化」「その場で復唱」「診療直後の簡易記録」「役割の明確化」 です。
診療室は“ながら作業”が多いため、ミスのほとんどが「確認不足」によって生じます。
■ 3. 会計でミスが発生しやすい本質的な理由
会計は「数字の正確さ」と「スピード」の両方が求められるため、緊張度の高い工程です。
特に、保険点数の計算や追加処置の反映など複数作業が重なると、入力ミスや説明漏れが起きやすくなります。また、患者さんは会計時が最も敏感で、金額に対する不安や疑念を抱きやすいため、わずかな間違いでもクレームに発展するリスクがあります。
会計は「医院の最終印象」を決める重要な場であり、ミスをゼロにする体制づくりが欠かせません。
■ 4. 導線全体でミスを防ぐ“共有と仕組み化”
ミスを点ではなく“線で見て改善”することが効果的です。受付→診療室→会計の導線で情報が途切れない仕組みづくりが重要になります。
● 申し送り内容を簡易メモ化し全員が確認
● 忙しい日のルール(優先順位)を事前に決める
● 院長・リーダーが現場の共通認識を定期チェック
● ミスが起きたら個人ではなく“工程”を振り返る
● 月1回の簡易ミーティングで改善策を共有
導線全体を1本のストーリーとして整えると、ミスは確実に減少します。
ミスは“人の問題”ではなく“仕組みの問題”として扱う医院ほど改善スピードが早いです。

まとめ
受付・診療室・会計のミスは、どれか1つだけ改善しても根本解決には至りません。
導線全体をつなげ、情報共有の仕組みを整えることで、スタッフの負担が軽くなり、患者さんの信頼も高まります。
医院の運営はミスゼロより“ミスを起きにくくする設計”が重要です。
日々の小さな改善が、医院全体の安心感と満足度を大きく引き上げます。
患者対応はまず【基本】を押さえることが大切です
▶接遇5原則 チェックシート活用法(全3回)を見る
▶電話対応 基本から応用/極意まで(全3回)を見る
無料サービスのご案内
接遇の質を見直すことは、患者さんとの信頼関係をより強くする第一歩です。
当社では 「接遇5原則チェックシート」 を無料でご提供しており、日々の接遇改善にすぐ活用いただけます。
さらに、接遇研修や満足度調査「E-Pサーベイ」のご相談も承っています。お気軽にご相談ください。
ぜひ下記からご請求ください。
▶ 「接遇・ホスピタリティ」カテゴリの関連記事を探す
▶ カテゴリ検索・人気記事などコラムのトップへ戻る
グロースビジョンでは読み物として得た知見を、実際の医院改善に活かすための【無料ツール・サポート】をご用意しています。
先生の大切な1歩を支援します。お気軽にどうぞ。
接遇5原則チェックシート
接遇の基準をシンプルに可視化。
院内研修や個別指導に活用
満足度調査ツール 半年無料
満足度と改善点を数値化できる
E-Pサーベイが半年無料
BSCチェックリスト
医業収入UPの戦略マップづくりに
無料でも75%公開してます

