加齢に伴い聴覚が低下することは珍しくありませんが、耳が遠い患者さんは「理解できない不安」「聞こえないことによる疎外感」を抱えがちです。「聞こえていないのに話が進む」経験は強いストレスとなり、信頼を損なう原因になります。
聞き返すことが恥ずかしい、迷惑をかけたくないという思いから、分かったふりをしてしまうケースもあります。だからこそ受け手の立場を汲み取ったコミュニケーションが求められます。
本記事では、耳の遠い患者さんに寄り添った言葉と対応の工夫を整理します。
耳の遠い患者さんとのコミュニケーション
聞こえやすい環境づくりと配慮を徹底する
まずは聞こえにくさを前提に、伝わりやすい環境と動作を整えます。
● 正面から顔を見せて話す(表情・口形が見える位置)
● 背後から声を掛けない
● 口元が隠れる仕草は避ける
● マスク越しの場合は声を少し強め・ゆっくりめに
● 周りの雑音を減らして会話に集中できる状況をつくる
環境改善は、不安をひとつ取り除く大切な一歩です。
聞こえる条件を整える“準備”は、最大の安心づくりです。
ゆっくり・はっきり・区切りながら伝える
聞こえづらさをカバーするには、話し方の工夫が欠かせません。
● 早口はNG。語尾まで丁寧に発音
● 長い説明は短く区切って伝える
● 同じ言葉を繰り返すより言い換える
● 大きな声=怒っていると思われないよう優しく
● 合図を取りながら進める
「はい」「ここまで大丈夫ですか?」など
「伝わる話し方」が安心と納得の土台となります。
声の大きさより、“伝えようとする姿勢”が届きます。
目と身体で伝える“非言語”を積極的に活用する
耳の遠い患者さんは、視覚情報で補うことがとても上手です。
視線を合わせ、うなずきやジェスチャーを交えながら説明すると、理解度がぐっと高まります。また、図やパンフレットを書き込みながら見せることで安心が増します。
表情や立ち位置が「寄り添う姿勢」を伝えるため、言葉以上に信頼につながる場合があります。
聞き返しや確認を丁寧に行う
聞き返しは「恥ずかしい」と感じる患者さんも多いため、こちら側から自然に確認していきます。
● 「念のため確認させてくださいね」
● 「こちらでお間違いないでしょうか?」
● 「気になるところがあれば、いつでも仰ってください」
● メモをお渡しして大切な点を共有
“理解できているか”を丁寧に支える姿勢は、信頼を大きく深めます。
聞き返しに安心できる雰囲気が、誤解・トラブル防止につながります。

まとめ
耳の遠い患者さんは、聞こえないことへの不安や戸惑いを抱えています。
正面から丁寧に向き合うこと、伝わる環境を整えること、ゆっくり・はっきりと説明すること、視覚情報を交えて安心を届けること──その積み重ねが「理解されている」という安心感を生みます。受け止める姿勢とほんの少しの工夫で、コミュニケーションは格段に円滑になります。
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