クリニックでは感染症対策を徹底しながらも、患者様が安心して過ごせる接遇を提供することが求められます。しかし、対策が強まるほど「距離を感じる」「冷たく感じる」という印象が生まれることも少なくありません。
安全と心地よさの両立ができている医院ほど、患者様からの信頼と満足度が高まります。
本記事では、日常業務の中で無理なく実践できる4つのポイントを整理し、感染症対策と接遇をバランス良く進める方法を解説します。
感染症対策と接遇を両立させるポイント
1. “見える化”された感染対策で安心を生む
感染症対策は、実施しているだけでは患者様に伝わりにくく、不安を抱かせる要因にもなります。とくに初診の方や久しぶりに来院する方にとっては、スタッフの行動や院内環境が「ここは信頼できる場所かどうか」を判断する大きな材料となります。清掃・換気・消毒といった当たり前の対策でも、見せ方を工夫することで安心につながります。
- 清掃・消毒を患者の前で丁寧に行う
- 換気のタイミングや方法を掲示する
- 診療前に手指消毒を行う姿をあえて見せる
患者様は「行っている事実」だけでなく「伝わる工夫」があるかどうかを敏感に感じ取ります。見える化は手間を増やさずに安心感を高められる、最も効果的な接遇の一つです。
2. お願い事項は“協力を促す”伝え方にする
感染対策では、患者様にマスク着用や手指消毒、発熱時の申告など、さまざまな協力をお願いする場面があります。ここで命令口調や強い表現を用いると、緊張感や不快感を与える可能性があります。
「守ってください」ではなく「一緒に安心できる環境をつくりたい」という姿勢を示すことで、患者様は自然と協力しやすくなります。丁寧な言い回しは接遇の基本であり、トラブル予防にもつながります。
- 「必ず着用してください」→「ご協力をお願いいたします」
- 「消毒してください」→「こちらでお願いしております。ありがとうございます」
- 注意ではなく前向きな声かけを基本にする
少しの言い換えだけで患者様の受け取り方は大きく変わります。
強制ではなく協力を促す表現は、感染対策と接遇の両方をスムーズに行うための重要な要素です。
3. マスク越しでも伝わる“非言語の接遇”を意識する
マスク着用によって表情が見えにくい状況では、声のトーンや話す速度、目線、うなずき、身体の向きといった非言語の要素がこれまで以上に重要になります。
少しゆっくり丁寧に話す、患者様の目を見てうなずく、案内の動作を丁寧にするなど、細かな工夫によって「寄り添う姿勢」が伝わります。視線を合わせないまま事務的に話すと冷たさが強調されてしまうため、意識的に温かさを表現する技術が必要になります。
感染対策があるからこそ、非言語の接遇が医院の印象を左右します。
4. 距離を保ちながら“心の距離”を遠ざけない
感染症対策で一定の距離を保つことは必要ですが、その距離が患者様に「話しかけづらい」「冷たい」と感じさせてしまうことがあります。距離を取る理由は安全のためであり、接遇としてはその距離を誤解されない工夫が求められます。
離れた位置でもしっかり目線を合わせる、身体を患者様側に向ける、遠くからでも丁寧に声をかけるなど、関わろうとする姿勢が伝わるだけで印象は大きく変わります。物理的距離と心理的距離は別物であり、接遇によって近づけることができます。
- 遠くてもアイコンタクトを欠かさない
- 声が届きにくい距離でも丁寧な声かけをする
- 正対姿勢で「あなたを見ています」を伝える
距離がある場面ほど、意識的に関わろうとする姿勢が求められます。患者様はその小さな気遣いから「ここは安心できる」と感じてくれます。

まとめ
感染症対策と接遇は相反するもののように見えますが、実際にはどちらも患者様の安心をつくるための取り組みです。
対策を丁寧に行い、その意図を適切に伝えることで、医院の信頼性は大きく高まります。小さな声かけや動作、伝え方の工夫で、患者様の不安は大きく軽減されます。安全性と温かさを両立させる医院は、患者様に選ばれ、評価される存在になります。
日々の業務の中で少しずつ積み重ねることが、より良い医院づくりにつながります。
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