小児の患者さんや若い患者さんの診療では、付き添いの親御さんが同席することがよくあります。多くの場合は心強いサポーターですが、中には治療の最中に口を挟みすぎる、必要以上に不安を伝える、本人の意志より親の意見が強く出るなど「過干渉」なケースもあります。
悪意ではなく“心配だからこそ”起きる行動であり、その気持ちを否定せず尊重しながらも、適切にコントロールして安心と治療の両立を図る必要があります。今回は、親御さんが過干渉なときの接遇対応を整理します。
付き添いの親御さんが過干渉なときの対応
親御さんの“心配”をまず受け止める姿勢
過干渉な言動の背景には「不安」があります。最初の対応で不安を和らげることが重要です。
● 「ご心配なお気持ち、よく分かります」
● 「安全に配慮して進めますのでご安心ください」
● 「ご質問があればいつでも伺いますね」
● 否定せずに“共感”から始める
● 「一緒に見守りましょう」と協力姿勢を示す
親の安心は、子どもの安心にも直結します。
最初に不安を汲み取ることで、過度な干渉が落ち着きやすくなります。
“役割分担”を丁寧に伝える
過干渉な親御さんには、スタッフと親御さんで役割を明確にすることが安心感を生みます。
● 「説明は私からお願いしますね」
● 「治療中は〇〇さん(本人)の頑張りを見守っていただけると助かります」
● 「困ったら合図してもらえるようにお伝えしています」
● 親御さんを“チームの一員”として位置付ける
● 事前に流れを説明して不安を減らす
役割が明確になると、親御さんは安心して任せやすくなります。
指示ではなく「お願い」の形がトラブルを防ぎます。
本人の意思を尊重するための言葉がけ
親御さんが代わりに答えてしまう場面では、本人の気持ちを丁寧に引き出す工夫をします。
親御さんを否定せず、「〇〇さんにも聞かせてくださいね」と軽く一言添えることで、子どもに視線を戻して会話できます。
「どんなふうに感じてるかな?」「少しでも気になったら教えてね」など、本人の言葉を大切に扱う姿勢を示すと、自主性と安心感が育まれます。
親御さんにも「成長を一緒に見守る」意識が芽生え、過干渉が抑えられます。
トラブルを防ぐ“情報共有”と安心の設計
過干渉は「情報不足」から強まることが多く、丁寧な共有が有効です。
● 具体的に説明し、見通しを持ってもらう
● 不安が強い親御さんには事前カウンセリングで対応
● 共通ルール(止まる合図など)を設定
● 強い不安には「いつでも声をかけて大丈夫」と伝える
● 診療後にも安心できるフォローを
“安心の設計”が、干渉の頻度を自然に減らしてくれます。
「見守りの上手な親御さん」へ導く関わり方が鍵です。

まとめ
過干渉な親御さんは、子どものことを大切に思っているからこそ行動が強く出ています。その気持ちを受け止めつつ、役割分担を丁寧に伝え、本人の意志を尊重していくことで、治療がスムーズになり安心が高まります。
親御さんを“制御”するのではなく、“協力パートナー”として関係を築くことが理想です。
患者対応はまず【基本】を押さえることが大切です
▶接遇5原則 チェックシート活用法(全3回)を見る
▶電話対応 基本から応用/極意まで(全3回)を見る
無料サービスのご案内
接遇の質を見直すことは、患者さんとの信頼関係をより強くする第一歩です。
当社では 「接遇5原則チェックシート」 を無料でご提供しており、日々の接遇改善にすぐ活用いただけます。
さらに、接遇研修や満足度調査「E-Pサーベイ」のご相談も承っています。お気軽にご相談ください。
ぜひ下記からご請求ください。
▶ 「接遇・ホスピタリティ」カテゴリの関連記事を探す
▶ カテゴリ検索・人気記事などコラムのトップへ戻る
グロースビジョンでは読み物として得た知見を、実際の医院改善に活かすための【無料ツール・サポート】をご用意しています。
先生の大切な1歩を支援します。お気軽にどうぞ。
接遇5原則チェックシート
接遇の基準をシンプルに可視化。
院内研修や個別指導に活用
満足度調査ツール 半年無料
満足度と改善点を数値化できる
E-Pサーベイが半年無料
BSCチェックリスト
医業収入UPの戦略マップづくりに
無料でも75%公開してます

