分院長を任せようとしたとき、多くの医院が二つの極端に分かれます。
一つは「信頼しているから全部任せる」、もう一つは「不安だから細かく口を出す」。
どちらも、分院長育成という点では失敗に近づきます。分院長に必要なのは、結果ではなく判断経験です。
判断の場を与えずに育つことはありませんし、失敗の余地を奪えば、責任感も主体性も育ちません。
本記事では、分院長に判断経験を“意図的に”積ませるための設計について整理します。
判断経験を意図的に積ませる ―いきなり任せない、しかし守りすぎない設計
1. 判断経験が不足すると、分院長は育たない
分院長が機能しない最大の理由は、判断経験の不足です。
診療経験が豊富でも、組織や数字に関する判断をしてこなければ、分院長としての視点は育ちません。
判断を避ける癖は、性格ではなく経験不足から生まれます。
- 判断を先送りする
- 本院にすぐ確認する
- 決断に自信が持てない
- 責任を背負えない
判断経験がなければ、任せられる人にはなりません。
分院長育成とは、知識を教えることではなく、判断する立場に立たせることです。
2. 「いきなり任せる」は育成ではなく放置になる
分院長候補に対して、「信頼しているから任せる」という形で一気に裁量を渡すケースがあります。
しかし、判断経験がない状態で任せることは、育成ではなく放置に近い状態です。
- 何を基準に決めればよいか分からない
- 失敗の許容範囲が見えない
- 本院の意図が読めない
- 結果的に判断を避ける
判断の土台がないまま任せると、分院長は守りに入り、判断をしなくなります。
育成には、段階設計が不可欠です。
3. 育つ分院長は「判断→振り返り」を繰り返している
判断経験を積ませるとは、決めさせて終わりではありません。重要なのは、判断のあとに必ず振り返りがあることです。
なぜそう判断したのか、結果はどうだったのか、次に活かすとしたら何を変えるのか。このプロセスを繰り返すことで、判断の精度は上がります。
逆に、結果だけを評価される環境では、分院長は失敗を恐れ、判断を避けるようになります。
判断経験とは、成功体験ではなく、修正される前提で積み重ねる経験です。
4. 本当に必要なのは「守りすぎない設計」
判断経験を積ませるために必要なのは、放置でも過干渉でもありません。
守りすぎない設計です。
- 判断範囲を限定する
- 失敗の許容ラインを決める
- 振り返りの場を設ける
- 最終責任は本院が持つ
この設計があることで、分院長は安心して判断できます。失敗しても修正できる前提があるからこそ、判断を引き受ける覚悟が育ちます。
分院長育成とは、失敗させないことではなく、判断できる人を育てることです。

まとめ
分院長を育てるうえで最も重要なのは、結果ではなく判断経験を積ませることです。
いきなり任せれば潰れ、守りすぎれば育ちません。
その間にあるのが、意図的に設計された判断経験です。
判断範囲を切り、失敗の許容ラインを示し、振り返りを前提に判断を任せる。
この繰り返しによって、分院長は「決めること」への耐性を身につけていきます。
分院長育成がうまくいかない医院ほど、判断を本人任せか、院長依存のどちらかに振れています。
判断経験は自然には積み上がりません。
設計して初めて育つものです。
このステップを踏まずに次へ進むと、分院長はいつまでも「任されない人」のままになります。
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