評価制度を導入して逆に離職が増えた医院:失敗に学ぶ「医院崩壊事例」

その医院は、「評価が曖昧だ」というスタッフの声を受け、評価制度を導入しました。外部のテンプレートを参考にし、点数化し、等級を作り、昇給基準も明文化しました。院長は「これで公平になる」「不満は減るはずだ」と期待していました。

しかし結果は逆でした。制度導入後半年で、ベテランが退職。中堅も不満を口にし始め、新人は萎縮しました。面談は緊張の場になり、会話は減り、院内の空気は重くなりました。

制度を入れたはずなのに、なぜ組織は不安定になったのか。

本記事は、評価制度の導入が逆効果となり、離職を加速させた医院の実例から、その構造的原因を整理することを目的としています。


目次

① 「不満を抑えるため」に制度を入れた

制度導入の動機が、防御的でした。

しかし評価制度は、不満を抑えるための装置ではありません。成長を支援する仕組みです。

動機が防御的だと、制度は“管理ツール”になります。管理色が強い制度は、現場にとって圧力になります。評価されるために働く組織は、挑戦を避けるようになります。

制度は、信頼の上に乗るものです。信頼が土台にない制度は、冷たく見えます。


② 評価基準が“行動”ではなく“印象”だった

評価項目は並んでいました。しかし、その多くは抽象的でした。

  • 「主体性」
  • 「協調性」
  • 「責任感」
  • 「向上心」

どれも重要です。しかし、定義が曖昧でした。

結局、評価は印象に戻りました。スタッフはこう感じます。「結局、院長の好き嫌いではないか」と。
基準が曖昧な制度は、不信を生みます。数値化しても、納得感がなければ意味がありません。


③ 面談が“査定の場”になった

制度導入後、面談の空気は変わりました。

以前は振り返りや成長の対話だった時間が、点数の説明と順位確認の場に変わりました。スタッフは防御的になります。「減点されないように」が思考の中心になります。
挑戦よりも無難を選ぶ。質問よりも沈黙を選ぶ。評価制度は本来、成長の道筋を示すものです。

しかし査定中心になると、心理的安全性が下がります。評価が“裁き”になると、面談は対話ではなく審判になります。その瞬間、制度は育成装置ではなく萎縮装置になります。


④ 制度と理念が一致していなかった

この医院の理念は「挑戦を応援する」でした。しかし評価制度は減点方式でした。

挑戦はリスクを伴います。しかし減点文化では挑戦は損になります。
制度は文化を強化します。理念と制度が一致しなければ、制度の方が勝ちます。なぜなら、報酬と直結するからです。

理念が飾りになり、制度が本音になります。


この医院は、制度を廃止したわけではありません。設計をやり直しました。評価項目を行動ベースに落とし込み、減点方式を廃止し、面談を育成中心に戻しました。

院長は気づきました。問題は制度ではなかった。設計思想だったのです。

評価制度は、組織の価値観を可視化する装置です。何を評価するかは、何を大切にするかと同義です。

公平さを追いすぎると、冷たくなる。
管理を強めすぎると、萎縮する。
競争を煽りすぎると、協力が減る。

制度は強力です。だからこそ、慎重に設計しなければなりません。


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