事務長は、院長の方針を現場に落とし込み、日々の運営を支える存在です。
しかし、事務長と院長の関係がぎくしゃくしてしまうと、組織は途端に不安定になります。
信頼関係は一朝一夕に築けるものではなく、日々のやり取りや仕組みづくりの積み重ねが必要です。
今回は、院長と事務長が「経営のパートナー」として機能するための信頼関係構築術をお伝えします。
クリニックの事務長シリーズ④──院長と事務長の信頼関係構築術
1. 方針共有を欠かさない
事務長が現場を動かすうえで、院長の考えや方向性を理解していることは絶対条件です。
- 週1回の方針共有ミーティング
- 診療方針や経営方針の変更は必ず口頭と書面で伝える
- 長期ビジョン(1〜3年先)の共有
この共有がないと、事務長は現場で「院長はどう考えているのか」を推測しながら動くことになり、判断の精度が落ちます。
2. 情報の透明化
信頼関係は「情報格差」が小さいほど強まります。
- 経営数値(売上・人件費・経費)の共有
- KPIやアンケート結果の共有
- 課題やクレームの情報も隠さず報告
事務長にとって、数字や事実を知ることは判断の根拠となり、動きやすさにつながります。
3. 定期的なフィードバック
事務長は院長からの評価や感謝の言葉を受ける機会が少ないポジションです。
- 成果を出したときは即座に言葉で評価する
- 課題があるときは事実と改善策をセットで伝える
- 四半期ごとの評価面談を行う
成果のフィードバックは信頼を育み、課題指摘は信頼を壊すのではなく改善のための土台になります。
4. 意見の違いは「衝突」ではなく「議論」に
院長と事務長が意見を異にする場面は必ずあります。
大切なのは、それを感情的な衝突にしないことです。
- 会議では「意見と人を切り離す」
- 否定から入らず、まず理由を聞く
- 院長の最終判断に至るプロセスを説明する
こうしたルールを意識することで、意見の違いは新しい発想の源になります。
5. 信頼を損なわないための禁止事項
- 院長の知らないところで重要な決定を行う
- 数字や事実を隠す
- 感情的な言動でスタッフを巻き込む
これらは一度でも発生すると、信頼回復に長い時間がかかります。事務長にも院長にも守るべき一線があります。
6. 信頼を深めるための仕組み化
信頼は「気持ち」だけでなく「仕組み」で支えることができます。
- 週次・月次の定例ミーティングを固定
- 報告・連絡・相談のフォーマットを統一
- 年に一度、医院全体の振り返りと次年度計画を共有
仕組みによって情報共有と対話の頻度を担保することで、信頼は安定します。
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- BSCチェックリストを活用し、事務長の業務範囲やKPIを明確化
- E-Pサーベイで患者満足度を測定し、事務長の改善施策を可視化
- 接遇・ホスピタリティ研修を通じて事務長が院内教育の基準と方法を習得し、日常のスタッフ教育を主導できる体制を構築。
定期的に弊社がフォローアップ研修を行い、基準維持と改善を継続。
これらを導入することで、院長と事務長の信頼関係を「数値・行動・文化」の3方向から支えることができます。

まとめ
院長と事務長の信頼関係は、日常の情報共有・定期的な対話・仕組みづくりによって育まれます。
意見の違いを恐れず、相互の立場を理解し合える関係を築くことが、医院の安定と成長の礎となります。
次回はシリーズ最終回として「事務長を核にした組織拡大戦略」を解説し、医院の未来を描くためのステップをご紹介します。
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