属人業務を見える化しても、組織が思うように回らない医院は少なくありません。その原因の多くは、「判断基準」が個人の頭の中に残ったままだからです。
誰がやるかは見えたが、どう判断するかは見えていない。この状態では、現場は迷い続け、最終的に院長判断へ戻ってしまいます。
判断基準を言語化・共有するとは、細かいルールで縛ることではありません。院長が何を基準に判断しているのかを、組織が使える形に落とすことです。
本記事では、属人化を本当に解消するために不可欠な「判断基準の言語化」について整理します。
判断基準を言語化・共有する ―院長の頭の中を“組織のルール”に落とす
1. 判断が属人化している組織は、仕事が止まりやすい
判断基準が共有されていない組織では、現場は常に様子見になります。「これは自分で決めていいのか」「怒られないか」という不安が、行動を止めます。結果として、小さな判断でも院長に集まり、スピードが落ちていきます。
これは慎重さではなく、基準不在による停滞です。
- 判断のたびに確認が必要
- 人によって対応が変わる
- 決断が遅れる
- 院長の負担が増える
判断基準がない組織では、任せることができません。任せられないから、いつまでも院長が手放せず、組織化は進まなくなります。
2. 「暗黙の了解」が最も危険な判断基準になる
多くの医院では、「普通はこうする」「今まではこうだった」という暗黙の了解で判断が行われています。一見スムーズに見えますが、この状態は非常に不安定です。人が入れ替わった瞬間に通用しなくなり、混乱を招きます。
暗黙知は、共有されているようで、実は再現できない知識です。
- 人によって解釈が違う
- 教えたつもりで伝わっていない
- 新人が育たない
- 判断が属人的に戻る
暗黙の了解に頼る限り、組織は個人の経験値を超えられません。判断基準を言語化することは、経験を組織の資産に変える作業です。
3. 言語化すべきは「正解」ではなく「判断の軸」
判断基準の言語化というと、「細かいルールを決めること」だと誤解されがちです。しかし、すべてのケースをルール化することは不可能ですし、それをやるほど現場は動けなくなります。
重要なのは、正解を決めることではなく、何を優先して判断しているかという軸を示すことです。例えば、患者満足を優先するのか、安全性を最優先するのか、現場判断を尊重するのか。軸が共有されていれば、多少のズレがあっても修正できます。軸がない組織では、判断のたびに迷いが生まれます。
言語化とは、判断を縛ることではなく、判断を前に進めるための共通言語をつくることです。
4. 本当のゴールは「判断を迷わせない組織」をつくること
判断基準を言語化・共有する目的は、現場に考えさせないことではありません。
迷わせないことです。
- 何を優先すべきかが分かる
- 自分で決めてよい範囲が明確
- 例外時の考え方が共有されている
- 判断後の修正が前提になっている
この状態になると、判断は止まらず、現場で前に進みます。院長はすべてを決める人ではなく、判断の軸を示す人になります。判断基準の言語化は、組織化の中核であり、次のステップ(権限設計)への橋渡しです。

まとめ
属人業務を見える化しても、判断基準が個人の頭の中に残っていれば、組織は本当の意味で回りません。現場は迷い、確認が増え、最終的に院長に判断が集中します。これでは、いつまでも組織化は進みません。
判断基準を言語化することは、細かいルールで縛ることではありません。院長が何を大切にして判断しているのか、その軸を組織が使える形にすることです。軸が共有されれば、現場は自分で考え、判断し、動けるようになります。
組織化の第2ステップは、「任せる準備」です。判断基準を共有することで初めて、権限を渡す土台が整います。
ここを飛ばして組織化は進みません。
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