患者様が説明を理解できなかったと感じる原因の多くは、内容が難しいからではなく、“一度に処理する情報量が多すぎること”にあります。人が頭の中で情報を整理する能力には限界があり、これを 「認知負荷」 と呼びます。
緊張や不安を抱えた医療場面では、その処理能力が通常より下がるため、わずかな情報でも「覚えられない」「理解が追いつかない」と感じやすくなります。
そこで、説明する側が認知負荷を適切に調整してあげることで、患者様は無理なく理解でき、安心感が生まれます。説明の上手いスタッフは、実は“情報の量・順序・ペース”を自然にコントロールしています。
本記事では、患者様の理解度を高めるための認知負荷コントロール術を解説します。
説明の理解度を上げる“認知負荷のコントロール”
1. 情報は“3つの単位”にまとめる
認知心理学では、人が短時間で処理しやすい情報量は「3つ前後」とされています。
医療説明では、内容を細かく伝えるよりも、まず“3つにまとめる”ことで格段に理解されやすくなります。構造化された情報は脳にとって負担が少なく、「何が重要なのか」が直感的に分かるようになります。
まとめ方に技術は不要で、伝えたい内容を3つの柱に整理するだけで効果があります。
- 重要なポイントを3つに整理する
- 長い説明は3つの段階に分ける
- 数字を使って順番を示す
- 1つの説明は1テーマに絞る
「3つにまとめる」だけで、患者様の理解度と記憶定着が大きく向上します。
情報を整理することは、説明の簡略化ではなく“理解を助ける設計”です。情報を3つにまとめるだけで認知負荷は劇的に下がります。
2. “図解や例え話”は認知負荷を半分にする
文章や口頭説明だけでは、患者様はイメージしにくく、理解に多くの負荷がかかります。
そこで役立つのが 例え話や視覚情報 です。専門情報を日常の言葉に置き換えたり、図や絵で見せたりすると、脳は複雑な情報を簡単に処理できます。これは“二重符号化理論”と呼ばれ、視覚と聴覚の両方から情報を得ると理解が2倍になることが分かっています。
- 生活に近い例えで説明する
- 手元資料や図を見せながら話す
- 専門用語をイメージ化して伝える
- 長い説明は図示してポイントを強調する
視覚情報を加えるだけで、患者様が理解に使うエネルギーは大幅に減ります。
言葉だけの説明は“理解のハードル”が高くなります。例え話や図解があると、認知負荷は驚くほど軽くなります。
3. “ペース配分”を調整するだけで理解度が上がる
説明を早く進めると、患者様は「分からなくても聞き返しづらい」と感じてしまい、認知負荷が急上昇します。
一方で、ゆっくり話すだけでも理解度は上がりますが、それ以上に効果的なのは“間”をつくることです。区切りごとに少し間を置くことで、脳が情報を整理する時間を確保でき、理解が自然と深まります。
4. “確認のひと言”で負荷をリセットする
患者様は一度混乱すると、後の説明が頭に入らなくなる傾向があります。そこで効果的なのが、小さな確認です。
- 「ここまでで大丈夫ですか?」
- 「不安な点はありませんか?」
- 「もう一度説明しましょうか?」
- 「どこが気になりますか?」
この“確認のひと言”には、理解を助ける以上に“安心して聞いていい環境づくり”の効果もあります。
確認を挟むだけで認知負荷が一度リセットされ、説明の後半もスムーズに理解できるようになります。

まとめ
説明の理解度を上げるためには、情報を増やすのではなく“認知負荷を減らす工夫”が必要です。
情報を3つにまとめる、視覚化する、ペースに“間”を入れる、途中で確認する──これらの小さな工夫が、患者様にとって「分かりやすい説明」につながり、安心感を大きく高めます。
認知負荷を意識した説明は、満足度の向上はもちろん、治療の協力度向上にも役立ちます。
患者対応はまず【基本】を押さえることが大切です
▶接遇5原則 チェックシート活用法(全3回)を見る
▶電話対応 基本から応用/極意まで(全3回)を見る
無料サービスのご案内
患者満足度を高めるためには、日々の接遇とデータに基づく改善の両方が欠かせません。
当社では、すぐに現場で活用できる 「接遇5原則チェックシート」 を無料でご提供しています。スタッフ全員の接遇を見直すきっかけとして、多くの医院様にご活用いただいています。
さらに、満足度調査システム 「E-Pサーベイ」 の無料相談や導入サポートも承っております。
患者様の“本当の声”が分かるデータは、改善の優先順位を決める大きな力になります。
接遇の改善、満足度の見える化、医院全体の質向上を進めたい医院様は、ぜひ下記よりお気軽にご請求ください。
▶ 「組織づくり」カテゴリの関連記事を探す
▶ カテゴリ検索・人気記事などコラムのトップへ戻る
グロースビジョンでは読み物として得た知見を、実際の医院改善に活かすための【無料ツール・サポート】をご用意しています。
先生の大切な1歩を支援します。お気軽にどうぞ。
接遇5原則チェックシート
接遇の基準をシンプルに可視化。
院内研修や個別指導に活用
満足度調査ツール 半年無料
満足度と改善点を数値化できる
E-Pサーベイが半年無料
BSCチェックリスト
医業収入UPの戦略マップづくりに
無料でも75%公開してます

