患者満足度を継続的に測定していると、月によって評価が上がったり下がったりすることがあります。
その原因の一つとして確認したいのが、「新患の割合」です。
新患が多い医療機関では、毎月異なる患者さんが数多く来院するため、既存患者中心の医療機関と比較して満足度が変動しやすくなることがあります。
特に新患は、ホームページや口コミ、紹介などから来院前に一定の期待を持っています。その期待と実際に受けた医療サービスとの「差」が、満足度の評価に影響します。
今回は、新患が多い医院ほど患者満足度が不安定になりやすい理由について考えてみましょう。
新患が多い医院ほど満足度が不安定になる理由
新患は「来院前の期待」を持っている
新患の満足度には、来院前に形成されたイメージが大きく影響します。
- ホームページの情報から期待する
- 口コミや評価を参考にする
- 家族や知人から紹介を受ける
- 広告やSNSなどを見て来院する
同じ医療サービスを受けても、来院前の期待が高ければ「思っていたほどではなかった」と感じることがあります。反対に、期待以上の対応を受ければ高い満足につながります。つまり、新患の評価は実際のサービスだけではなく、来院前に抱いていた期待との比較によっても変化します。
新患が多いほど、さまざまな期待を持った患者さんが加わるため、満足度も変動しやすくなります。
既存患者とは評価する視点が違う
新患と既存患者では、医療機関を見る視点にも違いがあります。
- 受付から会計までの流れが分からない
- 院内の設備や雰囲気を初めて見る
- 医師やスタッフとの信頼関係がまだない
- 医療機関独自のルールを知らない
既存患者であれば当たり前になっていることも、新患にとってはすべてが初めての体験です。そのため、受付での案内、待ち時間、診療の進め方、会計など、一つひとつの場面が評価対象になります。
新患の多い医療機関では、こうした「初めての体験」への評価が全体の満足度に反映されやすいことを理解しておく必要があります。
新患の増減だけで満足度が動くこともある
患者満足度の数字が変化したとき、「今月は接遇が悪かった」「サービスの質が下がった」とすぐに考える必要はありません。回答者の構成が変わったことで、平均値が動いている可能性もあるからです。
例えば、ある月は長年通院している患者さんからの回答が中心で、翌月は新患からの回答が大幅に増えたとします。この場合、医療機関のサービス自体が変わっていなくても、満足度の平均値が変化することがあります。
また、新患が増えたことで受付や診療が混雑し、待ち時間が長くなるなど、間接的に満足度へ影響する場合もあります。
そのため、患者満足度の変化を見るときには、点数だけで判断するのではなく、「その月は誰が回答したのか」「新患と既存患者の割合はどうだったのか」という患者構成まで確認することが重要です。
新患と既存患者を分けて分析する
新患が多い医療機関では、満足度を一つの数字だけで見るのではなく、患者属性を分けて分析することが重要です。
- 新患と既存患者の満足度を比較する
- 新患比率の推移を確認する
- 初診時に評価の低い項目を探す
- 自由記述から初診時の課題を確認する
例えば、新患だけ「院内の案内」の評価が低ければ、初めて来院する患者さんへの説明に改善の余地があるかもしれません。一方、新患も既存患者も同じ項目で評価が低ければ、医療機関全体の課題である可能性が高まります。
このように患者を分けて分析することで、単純な平均値だけでは分からない改善ポイントが見えてきます。

まとめ
新患が多い医療機関では、患者満足度が一定にならず、月によって変動することがあります。その背景には、新患ごとに来院前の期待が異なることや、医療機関との信頼関係がまだ形成されていないこと、初めて経験するさまざまな場面が評価対象になることなどがあります。
だからこそ、満足度が下がったからといって、すぐに「サービスの質が低下した」と判断するのは適切ではありません。新患数や新患比率、回答者の構成を確認し、新患と既存患者を分けて評価することで、数字が変化した本当の理由が見えやすくなります。
患者満足度は、点数だけではなく「誰が評価したのか」とセットで見ることが大切です。
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