「ここを改善してほしい」では足りない|行動に結びつく質問設計のコツ

患者アンケートを作成するとき、多くの医院が取り入れるのが「ここを改善してほしい点はありますか?」という自由記述型の質問です。率直な意見が集まりやすく、文章から具体的な状況や患者さんの思いが感じ取れるのは大きな魅力です。


ただ、この質問だけで医院の課題を正確に掴めるかというと、必ずしもそうではありません。表面的には十分な情報を得られたように見えても、その裏には見えない傾向や、数字でしか把握できない変化が隠れていることもあります。では、どうすれば行動に結びつくアンケートにできるのでしょうか。


目次

自由記述だけでは見落とす“本当の課題”

まず、自由記述は「意識の高い一部の患者の声」に偏りがちです。何か強い不満や感動を抱いた患者さんほど記入しますが、日常的に小さな不便を感じている患者さんは、あえて書かないことが少なくありません。


また、文章の内容は感情的・抽象的になりやすく、改善策を明確にするまでに読み手側が解釈や整理を行う必要があります。さらに、意見を寄せる人数が少ないと、統計的な傾向を読み取ることが困難になります。


行動変化を促すには“定量化”が必要

改善策を現場で実行するためには、課題をできるだけ明確に数値化して伝える必要があります。
例えば、「受付が混んでいる」という声があった場合でも、それが何曜日の何時に集中しているのか、患者の何割が同じ印象を持っているのかが分からなければ、適切な対策を打つことはできません。


定量化されたデータは、スタッフ間の共通認識をつくり、改善の優先順位を決めるうえで不可欠です。


質問設計のコツ:感情と行動をセットで聞く

行動に結びつくアンケート設計では、単に感情面の満足度だけを問うのではなく、「具体的な行動」とセットで聞くことが有効です。
例えば以下のような組み合わせです。

このように感情と行動をペアで尋ねると、「満足しているけれど再来院意向は低い」というような、表面的な評価と異なる深層の傾向が見えてきます。ここから、患者の行動変化を阻む要因を探ることができます。


相関分析で“隠れた改善ポイント”を見つける

集めたデータを活用するには、単純な平均値だけでなく、異なる設問同士の関連性を分析することが重要です。
例えば、「スタッフの対応満足度」と「再来院意向」に強い相関が見られる場合、患者が医院を選び続ける決め手が“スタッフ対応”である可能性が高いと分かります。


逆に、施設や設備に関する満足度が高くても再来院意向に結びついていない場合、それは投資効果の低い改善ポイントである可能性が高くなります。


定量と定性のバランスをとる

もちろん、数値データだけでは患者の本音をすべて掴むことはできません。

この両輪を組み合わせることで、現場で動かせる改善策と、その裏付けとなる患者の生の声を同時に得ることができます。


改善を促す質問設計のチェックリスト

アンケートを作成する際は、以下の観点を満たしているかを確認します。

このチェックリストを満たしていれば、アンケート結果はより具体的かつ行動可能なデータになります。
現場の改善力を高めるためにも、設問設計の段階から意識して取り入れることが大切です。


「ここを改善してほしい」という自由記述は、貴重な患者の声を直接拾える反面、それだけでは偏りや曖昧さが残ります。経営判断や現場改善に活かすためには、定量化されたデータと行動意向をセットで把握し、相関分析で本当の改善ポイントを特定することが重要です。
数値と感情を組み合わせた設問設計は、感覚や思い込みではなく、事実に基づいた改善サイクルを回すための土台になります。そして、改善が成果として現れることで、患者との信頼関係はより強固になり、医院全体の成長にもつながっていきます。


E-Pサーベイ運用のメリット

E-Pサーベイは、医院ごとの目的に沿った設問を自在に設計でき、定量データと自由記述を組み合わせたアンケートを簡単に作成できます。

複数回の調査結果を比較し、改善前後の数値や傾向を確認できるため、「どの施策が患者さんの行動や意識に影響しているのか」を明確にできます。質問の精度を高めることで、改善サイクルの回転スピードも上がります

さらに、質問内容を柔軟に変更できるため、

といった多様なテーマにも対応可能です。

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