新卒スタッフを採用すると、
「そこから教えないといけないの?」
と思うことがあります。
挨拶をしない。返事が小さい。遅刻しそうなのに連絡がない。注意されても「分かりました」だけ。休むときにはLINEで「今日休みます」。
医療に関する知識や技術以前に、社会人としての基本から教えなければならないケースもあります。
しかし、新卒スタッフにとっては医院が初めての職場です。
学生時代には許されていたことと、給与をもらって働く社会人として求められることの違いを、まだ理解していないこともあります。
そこで「今どきの若い人は常識がない」と嘆いていても始まりません。
新卒だからこそ、最初に社会人としての基本をきちんと教える。
今回は、新卒スタッフへ社会人マナーをどのように身につけてもらえばよいのかを考えてみましょう。
新卒スタッフに社会人マナーを教え込む
「社会人なら常識」で済ませず最初に教える
新卒スタッフの教育では、知っていることを前提にしないことが大切です。
- 挨拶と返事の仕方
- 遅刻・欠勤時の連絡方法
- 報告・連絡・相談の基本
- 職場での言葉遣いや態度
「そんなことまで教えるの?」と思うかもしれません。しかし、知らないものを本人の常識に任せれば、スタッフによって行動がバラバラになります。例えば欠勤時には誰へ何時までにどの方法で連絡するのか、指示を受けたらどのように返事をするのかなど、具体的に教えます。
社会人マナーを本人の育った環境や学生時代の経験に任せず、医院として求める基本行動を最初にそろえることが重要です。
「なぜ必要なのか」まで理解させる
マナーを形だけ覚えさせても、意味を理解していなければ長続きしません。
- 挨拶がなぜ必要なのか
- 時間を守ることがなぜ重要なのか
- 報告しないと誰が困るのか
- 身だしなみが患者さんにどう見えるのか
例えば、「遅刻しないこと」とだけ教えるのではなく、一人が遅れれば朝の準備や患者対応を他のスタッフが補うことになると説明します。「報告してください」についても、報告がなければ責任者が状況を判断できず、周囲の仕事にも影響することを伝えます。
単なる医院の決まりとして覚えさせるより、自分の行動が患者さんや一緒に働く人へどのような影響を与えるのかまで理解してもらうことが大切です。
新卒のうちに曖昧な行動を放置しない
入職したばかりのスタッフには、「まだ新人だから」と多少のことは大目に見たくなるものです。
もちろん、仕事ができないことまで厳しく責める必要はありません。最初は分からなくて当然です。
しかし、挨拶をしない、返事をしない、時間を守らない、報告をしないといった基本行動まで、「そのうち分かるだろう」と放置するのは違います。
最初の数か月で許されていたことを、半年後になって突然「社会人としておかしい」と注意されても、本人からすれば「今まで何も言われなかったのに」となります。
できていないことがあれば、その場で短く具体的に教える。そして次にできていれば認める。この繰り返しによって、職場で求められる行動が少しずつ身についていきます。
新卒スタッフだから厳しくするのではなく、新卒だからこそ最初に正しい基準を教えることが必要です。
教える側も社会人マナーを守る
新卒スタッフは、先輩スタッフの行動をよく見ています。
- 先輩から挨拶をする
- 時間や約束を守る
- スタッフ同士でも丁寧に接する
- ミスをしたら立場に関係なく謝る
研修では「挨拶をしましょう」と教えているのに、院長や先輩スタッフが朝の挨拶を返さない。「人の話を最後まで聞きましょう」と教えながら、新人の話を途中で遮る。このような状態では、研修で教えたことより日常で見ている行動の方が強く伝わります。
社会人マナーは新人だけが守るものではありません。新人教育を行うときこそ、教える側も自分たちの行動を見直す必要があります。

まとめ
新卒スタッフには、専門的な知識や技術だけでなく、社会人として働くための基本を教える必要があります。
挨拶、返事、時間、報告・連絡・相談、言葉遣い、周囲への配慮。
社会人経験が長くなると当たり前に感じることでも、新卒スタッフにとっては初めて学ぶことかもしれません。
だからこそ、「常識でしょう」で済ませず、医院として求める行動を具体的に伝えます。
そして、単にルールを覚えさせるのではなく、「なぜそれが必要なのか」「できないと誰に影響するのか」まで説明します。
できていないことは新人のうちに教え、できるようになったことはきちんと認める。
同時に、院長や先輩スタッフ自身も、新人から見られていることを忘れてはいけません。
新卒教育の最初に教えるべきなのは、仕事のやり方だけではありません。「一人の社会人として、周囲とどのように仕事をするのか」という土台をつくることです。その土台があってこそ、その後の知識や技術の教育も活きてきます。
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