スタッフ育成 第3回:スタッフが自走する組織をつくる

スタッフ育成のゴールは、単にスキルを身につけることではありません。
本当に目指すべき姿は「スタッフが自ら考え、動き、改善できる組織」をつくることです。
いわゆる“自走する組織”です。

院長が常に細かい指示を出さなければ回らない状態では、成長にも限界があります。
一方、スタッフが自ら課題を見つけ、解決に向けて動ける組織は、院長の負担を軽減し、患者満足度や経営の安定性も高まります。

では、自走する組織はどのようにして実現できるのでしょうか。


目次

1. ビジョンと目的を共有する

まず大切なのは、組織の“方向性”を全員で共有することです。
「なぜこの医院は存在するのか」「どんな医院を目指しているのか」が明確でなければ、スタッフは動けません。

このようにシンプルで分かりやすい言葉でビジョンを伝え続けることが重要です。
院長が日々の言葉や行動で示すことで、スタッフの判断基準になります。


2. 役割と責任を明確にする

自走するには「自分の役割」がはっきりしている必要があります。
誰が何を担当するのかが不明確だと、責任感が育ちません。

役割を明確にすることで、スタッフは自分の判断で行動しやすくなります。


3. 権限を委ね、裁量を与える

院長がすべての決定を握っていると、スタッフは「言われたことしかやらない」状態になってしまいます。
自走を促すには、一定の権限と裁量をスタッフに委ねることが必要です。

任せられた経験が、責任感と主体性を育てます。


4. 情報共有の仕組みを整える

自走には「情報の透明性」も欠かせません。
情報が限られた人にしか届かないと、判断や改善が止まってしまいます。

日々の診療の振り返りは朝礼や終礼で簡単に共有し、さらに週1回のミーティングで課題と改善策を話し合うと効果的です。
また、患者アンケートや口コミをスタッフ全員で確認することで、医院の現状を正しく把握できます。


5. モチベーションを引き出す仕組み

人は「頑張ったことが認められる」と、さらに前向きになります。
モチベーションを維持するためには、成果をきちんと評価・称賛する仕組みが必要です。

これらの積み重ねが「自分の行動が医院の力になっている」という実感につながり、自走が加速します。


6. 継続的な学びと成長の場をつくる

自走する組織は、学びを止めません。
研修や勉強会を定期的に設けることで、スタッフは新しい知識やスキルを得て、さらに自信を持って行動できます。

「学び続ける文化」が定着すると、組織全体が成長を続けます。


7. 自走する組織が生む好循環

スタッフが自ら動く組織には、以下のような好循環が生まれます。

このサイクルは「人に依存する経営」から「仕組みに支えられる経営」への転換を意味します。



スタッフ育成の最終ゴールは、自ら考え行動できる“自走する組織”をつくることです。
そのためには、ビジョンの共有、役割の明確化、権限委譲、情報共有、モチベーション管理、学びの場づくりが欠かせません。

こうして育った組織は、院長がいなくても回り続け、患者さんからも地域からも信頼されるクリニックへと成長していきます。
自走する組織は、一人の力ではなくチーム全体の力で築かれるものです。
その積み重ねが、未来にわたって持続可能な医院経営を実現します。

院長先生ご自身が最初の一歩を示すことが、スタッフを動かす大きな力になります。
今日からできる小さな工夫を積み重ね、強い組織づくりを進めていきましょう。

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