医院経営の世界でも、「今はこれが流行っている」「このやり方が成果を出している」といった情報は日々流れてきます。
SNS、業界セミナー、コンサルの事例。成功事例を参考にすること自体は、決して悪いことではありません。むしろ、変化に関心を持つ姿勢は経営者として重要です。
しかし、流行を追うことと、経営として選択することは別物です。流行に反応する判断が続くと、医院の中で方針が揺れ、現場が疲弊し、結果として成果が出にくくなります。
本記事は、流行そのものを否定するのではなく、流行を追いすぎたときに、なぜ経営が不安定になるのかを構造的に整理し、院長が取るべき距離感を明らかにすることを目的としています。
医院経営で流行を追いすぎるリスク
1.判断基準が外部に引っ張られる
流行を追いすぎる医院では、経営判断の基準が院内ではなく外部に置かれています。「他院がやっている」「今はこれが主流だ」という理由で判断が進むと、自院の状況とのズレが生じやすくなります。
- 自院の課題整理が後回しになる
- 合わない施策を無理に導入する
- 判断の理由を説明できない
- 次の流行にすぐ目移りする
判断基準が外にあると、判断は常に揺れます。結果として、院内に「また変わるのではないか」という空気が生まれ、スタッフの納得感が下がっていきます。流行を追うほど、軸が細くなっていきます。
2.流行対応が現場の負担を増やす
流行を取り入れる際、その多くは既存業務に「追加」されます。新しいツール、新しい運用、新しい説明。これらが誰の負担になるのかが整理されないまま進むと、現場は疲弊します。
- 業務が増えるが減らない
- 教育や説明が追いつかない
- 忙しい時ほど形骸化する
- 不満が表に出にくくなる
流行対応が続くと、現場は「また何か始まる」という警戒感を持つようになります。結果として、せっかくの施策も定着せず、次の流行に置き換えられていきます。これは改善ではなく、消耗です。
3.積み上がる前に次へ移ってしまう
流行を追いすぎる医院では、一つの取り組みが形になる前に、次の施策へ移ってしまいます。導入直後は成果が出なくても当然ですが、評価を急ぎすぎることで、本来得られるはずの改善効果を取り逃します。
経営の施策は、時間をかけて定着させて初めて意味を持ちます。流行を基準にすると、「続ける理由」より「変える理由」が先に立ち、積み上げが生まれません。その結果、常に新しいことをしているのに、何も残らない状態になります。
4.医院の強みが見えなくなる
流行を追うほど、医院本来の強みは埋もれていきます。診療の姿勢、患者との関係性、スタッフの成長。こうした積み上げは派手さがないため、流行の中では評価されにくくなります。
- 自院の価値を言語化できない
- 打ち出しが毎年変わる
- 患者に伝わりにくい
- 採用でも軸がぶれる
経営が安定している医院ほど、流行との距離感を保っています。流行を参考にしつつも、自院の軸に合うかどうかで取捨選択しています。流行に振り回されないことで、結果的に一貫した価値が伝わります。

まとめ
医院経営で流行を追いすぎると、判断基準が外部に引っ張られ、現場の負担が増え、施策が積み上がらず、医院の強みが見えなくなります。これは努力不足ではなく、判断の基準が整理されていないことによって起きる構造的な問題です。
流行は敵ではありません。しかし、流行は一時的なものであり、経営の軸にはなり得ません。経営の軸は、自院が何を大切にし、どこに力を注ぐかという選択の積み重ねです。その軸が明確であれば、流行は「使える情報」に変わります。
流行に振り回されていると感じた時は、新しい施策を足す前に、軸を言語化することが必要です。流行を追わなくなった瞬間に経営が止まるのではなく、流行に振り回されなくなった瞬間に経営は安定し始めます。
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