多くの院長は、自院を「医療機関」として捉える意識が非常に強く、「事業体」として考えることに抵抗を感じています。医療は尊い行為であり、利益を前面に出すことに違和感を覚えるのも自然な感情です。
しかし現実には、医院は人を雇い、設備に投資し、継続的に収益を生み出さなければ成り立たない組織です。
本記事は、医院を医療機関としてだけでなく、事業体として捉える視点の重要性を整理し、なぜその視点が欠けると経営が不安定になるのかを明らかにすることを目的としています。
医療の質を守るためにも、経営から目を背けない姿勢が求められています。
医院は医療機関である前に「事業体」である
1.「医療だから特別」という意識が判断を曇らせる
医療は特別だという意識が強すぎると、経営判断が感情寄りになります。「患者のためだから仕方ない」「医療に利益は不要」といった考えは一見正しく聞こえますが、積み重なると経営基盤を弱めます。事業体としての視点が欠けると、判断基準が曖昧になり、場当たり的な対応が増えていきます。
- 赤字を正当化してしまう
- コスト意識が薄れる
- 判断基準が感情依存になる
- 改善の優先順位が見えなくなる
医療の価値を守るためにも、経営判断は冷静である必要があります。感情と判断を切り分けられるかどうかが、医院の安定性を大きく左右します。
2.事業体として見ないと人も仕組みも育たない
医院を事業体として捉えない場合、人材育成や組織設計が後回しになります。「良い人に任せれば回る」「現場の善意で何とかなる」という運営は、規模が小さいうちは成立しますが、成長とともに限界を迎えます。属人的な運営は、院長不在時に脆さを露呈します。
- 役割分担が曖昧
- 評価や育成が感覚的
- 仕組みが個人に依存する
- 院長の負担が増え続ける
事業体として設計されていない組織では、人も仕組みも育ちません。結果として、院長自身が現場から離れられなくなります。
3.「事業」という言葉を避けるほど経営は苦しくなる
「事業」という言葉に抵抗を示す院長ほど、無意識のうちに経営課題から目を逸らしてしまいます。
数字を見ること、効率を考えること、投資対効果を検証することは、医療の質を下げる行為ではありません。むしろ、それらを避けることで、長期的には医療の質そのものが維持できなくなります。
経営を直視しない状態では、問題が起きてから対応する後追い経営になりがちです。その結果、常に余裕がなくなり、判断も遅れ、組織全体が疲弊していきます。
4.事業体としての視点が医療の質を支えている
安定した経営基盤があるからこそ、医療の質は守られます。設備投資、人材教育、労働環境の整備は、すべて事業としての視点があって初めて実現します。医療機関である前に事業体であるという認識は、医療を軽視する考えではありません。
- 投資判断が計画的になる
- スタッフの定着率が上がる
- 院長が経営に集中できる
- 医療の質が安定する
事業体としての視点を持つことは、結果的に患者にもスタッフにも還元されます。

まとめ
多くの院長は、すでに経営者として医院を運営しています。問題は「経営しているかどうか」ではなく、医院をどこまで事業体として設計できているかです。
感覚や善意に依存した運営は、規模が大きくなるほど限界を迎えます。
事業体としての視点とは、数字・役割・判断基準を仕組みとして整えることです。それができて初めて、院長は現場対応から一歩引き、経営判断に集中できます。
医療の質を守り続けるためにも、経営者として次の段階に進むことが求められています。
患者対応はまず【基本】を押さえることが大切です
▶接遇5原則 チェックシート活用法(全3回)を見る
▶電話対応 基本から応用/極意まで(全3回)を見る
無料サービスのご案内
医院経営や組織づくりは、院長や一部のスタッフの頑張りだけでは続きません。
安定している医院には、判断の軸・行動の基準・全体像を俯瞰できる仕組みが整理されています。
弊社では、クリニックの基盤づくりに役立つ2つの無料リソースをご用意しています。
- 接遇5原則チェックシート
患者対応の基本を振り返り、スタッフ全員で共通認識を持つための実践ツール - BSCチェックリスト(75%公開版)
医院経営を「見える化」し、育成や組織改善の方向性を整理するための診断シート
どちらも日々のマネジメントや改善活動にすぐ役立つ内容です。
ぜひ下記から請求して医院でご活用いただき、安定した組織づくりにお役立てください。
▶ 「経営戦略」カテゴリの関連記事を探す
▶ カテゴリ検索・人気記事などコラムのトップへ戻る
グロースビジョンでは読み物として得た知見を、実際の医院改善に活かすための【無料ツール・サポート】をご用意しています。
先生の大切な1歩を支援します。お気軽にどうぞ。
接遇5原則チェックシート
接遇の基準をシンプルに可視化。
院内研修や個別指導に活用
満足度調査ツール 半年無料
満足度と改善点を数値化できる
E-Pサーベイが半年無料
BSCチェックリスト
医業収入UPの戦略マップづくりに
無料でも75%公開してます

