医院経営において、院長の直感や経験は重要な判断材料の一つです。長年の臨床や経営の中で培われた感覚は、スピーディな意思決定を支えてきたはずです。
しかし一方で、直感に頼るべきでない場面が存在するのも事実です。特に、組織が拡大し、人やお金、ルールが複雑に絡み合う段階では、直感だけでの判断が思わぬ歪みを生むことがあります。
本記事は、医院経営において直感が有効な場面と、あえて排除すべき場面を切り分け、なぜ「感覚任せ」がリスクになるのかを構造的に整理することを目的としています。
医院経営で「直感」に頼ってはいけない場面とは
1.人事評価・処遇を直感で決めている
人事評価や処遇判断を直感に頼ると、組織に大きな歪みが生まれます。「頑張っていそう」「信頼できそう」といった感覚は一見合理的に見えますが、評価基準が曖昧なままでは、評価の一貫性が保てません。
結果として、評価される人とされない人の間に不信感が生じやすくなります。
- 評価理由が説明できない
- 人によって基準が変わる
- 不満が水面下に溜まる
- 院長の好き嫌いと誤解される
人事は感情が絡む分野だからこそ、直感ではなく仕組みが必要です。評価軸を明文化し、判断理由を説明できる状態にすることで、組織の納得感と安定性は大きく向上します。
2.設備投資・外注判断を感覚で決めている
設備投資や外注の判断を「なんとなく良さそう」「流行っているから」という直感で行うと、後から経営を圧迫する原因になります。投資判断は一度実行すると簡単には引き返せず、固定費として長期間影響を及ぼします。直感だけでは、費用対効果や回収見込みを正確に捉えることができません。
- 数字による検証がない
- 回収計画が曖昧
- 他院事例を鵜呑みにする
- 継続コストを見落とす
投資判断では、感覚よりも数字と仮説検証が重要です。直感はきっかけとして使い、最終判断は客観的な材料で固める必要があります。
3.組織課題の原因を感覚で決めつけている
スタッフの不満や離職が起きた際、「あの人の性格の問題」「最近の若い世代はこうだ」と直感的に原因を決めつけてしまうと、本質的な改善が進みません。多くの場合、問題の原因は個人ではなく、仕組みや役割設計にあります。直感的な決めつけは、課題をさらに見えにくくします。
感覚で原因を断定してしまうと、対策も感覚的になり、場当たり的な対応を繰り返すことになります。その結果、同じ問題が形を変えて再発し、院長自身も「何をやっても変わらない」という疲弊感を抱えるようになります。
4.ルール変更を勢いで決めている
ルールや方針を直感や勢いで変更すると、現場は混乱しやすくなります。「今のやり方は良くない気がする」という感覚だけで決めると、なぜ変わったのかが伝わらず、納得感が得られません。ルールは行動を縛るものだからこそ、背景と目的の説明が不可欠です。
- 変更理由が共有されない
- 現場解釈がバラバラになる
- ルールが形骸化する
- 院長の気分と受け取られる
直感的な違和感は重要なサインですが、それをそのまま決定に変えるのではなく、言語化と設計を経ることで、ルールは初めて機能します。

まとめ
医院経営において直感は否定すべきものではありません。しかし、人事・投資・組織課題・ルール設計といった領域では、直感だけに頼ることが大きなリスクになります。直感は問題提起や気づきの入口として活用し、最終判断は仕組みと客観性で固めることが重要です。
経営が安定している医院ほど、「感覚で決めない仕組み」を持っています。直感を封じるのではなく、正しく位置づけることが、院長の負担を減らし、組織を長期的に成長させる鍵となります。
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