「自費診療について説明するための資料を作りました」
自費診療の内容や費用を患者さんに分かりやすく伝えるため、パンフレットや比較表などを用意している医院もあります。
説明内容を統一し、患者さんが後から確認できるという意味でも、説明資料を整備することは大切です。
しかし、きれいな資料を作って患者さんへ渡しただけで、自費診療について十分に理解してもらえるとは限りません。
専門的な内容が多過ぎる、説明するスタッフによって使い方が違う、資料を渡して「読んでおいてください」で終わっている。このような状態では、せっかく作った資料を十分に活かせません。
今回は、自費診療の説明資料を患者さんの理解や選択につなげるために必要なことを考えてみましょう。
自費診療の説明資料を作るだけでは患者に伝わらない
資料に情報を詰め込み過ぎない
患者さんに詳しく伝えようとすると、説明資料の情報量が多くなりがちです。
- 専門用語をできるだけ避ける
- 違いを比較しやすくする
- 患者さんが知りたい情報を優先する
- 一目で要点が分かるようにする
医療者にとって必要だと思う情報と、患者さんが選択するために知りたい情報は必ずしも同じではありません。
詳しい説明をすべて資料へ盛り込むより、「どのような選択肢があるのか」「それぞれ何が違うのか」「費用や期間はどうなのか」など、患者さんが判断するときに必要な情報を整理して伝えることが重要です。
「渡した=説明した」にしない
説明資料があると、それを患者さんへ渡すこと自体が目的になってしまうことがあります。
- 資料を使いながら説明する
- 患者さんの関心に合わせて伝える
- 分からない部分がないか確認する
- 質問する時間をつくる
「詳しくはこちらに書いてありますので、ご覧ください」と資料を渡すだけでは、患者さんがどこを読めばよいのか分からないことがあります。
まず重要なポイントを口頭で説明し、その内容を確認するために資料を使う。患者さんから質問があれば、該当する部分を一緒に見ながら説明する。
資料は人による説明をなくすためのものではなく、説明を分かりやすくするための補助ツールとして活用することが大切です。
患者さんによって知りたいことは違う
同じ自費診療を検討していても、患者さんが重視することはそれぞれ異なります。
ある患者さんは費用を最も気にしているかもしれません。別の患者さんは治療や施術にかかる期間、通院回数、見た目、身体への負担などを気にしているかもしれません。
説明資料にすべて書いてあるからといって、最初から最後まで同じ順番で説明する必要はありません。
まず患者さんが何を不安に感じ、何を重視しているのかを確認する。そのうえで、必要な部分を重点的に説明する方が理解しやすくなります。
これは、自費診療を勧めるためだけに行うものではありません。
患者さん自身が何を基準に選択したいのかを確認し、その判断に必要な情報を提供することが本来の説明です。
説明資料は作った後に改善する
説明資料は、一度完成したら終わりではありません。
- 患者さんから多い質問を確認する
- 分かりにくい部分を書き直す
- スタッフから意見を集める
- 内容や料金の変更に合わせて更新する
例えば、毎回同じ質問を受けるのであれば、その情報が資料にない、あるいは書いてあっても伝わりにくい可能性があります。
また、資料を使っているスタッフから「この部分は説明しにくい」「この比較表が分かりにくい」といった意見が出ることもあります。
実際に使ってみて、患者さんの反応を確認しながら改善することで、より分かりやすい説明資料になっていきます。

まとめ
自費診療の説明資料を用意することは、患者さんへ選択肢を分かりやすく伝えるために有効です。
しかし、資料を作って渡すだけでは十分ではありません。
患者さんが理解しやすい内容になっているか、スタッフが資料を使って説明できているか、患者さんが何を重視しているのかを確認できているか。そして、実際の反応をもとに資料を改善しているかまで考える必要があります。
説明資料の目的は、自費診療を売ることではありません。
患者さんがそれぞれの選択肢を理解し、自分に合った診療・治療・施術を納得して選べるようにすることが目的です。
一度、自院の自費診療の説明資料を確認してみてください。「作って渡す資料」ではなく、患者さんとの説明の中で実際に使われる資料になっていますか?
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