クリニックの税金⑧|税務調査への備え

税務調査と聞くと、多くの院長先生は「うちにも来るのだろうか」「何を見られるのか」と不安を感じるかもしれません。特に医療法人化したクリニックでは、税務署からの調査対象になる可能性は決して低くありません。

赤字だから安心、規模が小さいから来ない、というのは大きな誤解です。むしろ「適正に管理されているか」を確認する目的で、幅広いクリニックが調査の対象となります

今回は、クリニックにおける税務調査の基本的な流れと備えについて整理します。


目次

1. 医療機税務調査は誰にでも来る

税務調査は、特定の問題がある法人だけを狙って行われるわけではありません。調査官は、売上規模、利益率、過去の申告状況などを総合的に判断して訪問先を決定します。したがって、業績が好調な医院はもちろん、赤字を計上している医院でも調査が入ることがあります。

つまり「うちは関係ない」と思っていると、いざ調査が来たときに慌てることになるのです。


調査で見られる主なポイント

調査官が注目するのは、次のような部分です。


準備しておくべき資料

調査官は決算書だけを確認するわけではありません。裏付けとなる資料を求められるため、日頃から次の書類を整備しておくことが大切です。

これらを日常的に整理しておけば、調査時にバタバタ探す必要がなくなります。


院長の姿勢が問われる

税務調査では「数字」だけでなく「院長の姿勢」も見られています。ごまかそうとしたり、税理士に丸投げで何も答えられなかったりすると、調査官は不信感を持ちやすくなります。逆に、院長が基本的な数字を理解しており、正しく説明できると「管理が行き届いている」と評価され、調査がスムーズに進みます。

院長先生がすべてを詳細に説明する必要はありません。ですが「売上の流れ」「経費の大きな項目」「家族給与の実態」など、最低限の概要は自分の言葉で話せるようにしておくことが安心につながります。


調査後に指摘されやすい事例

実際の税務調査でよくある指摘には、以下のようなものがあります。

いずれも「うっかり」で済ませられない内容です。調査の指摘は追徴課税や加算税につながるため、信用を失うだけでなく資金繰りに大きな影響を及ぼす可能性があります。


普段からできる備え

税務調査は突然やってくるわけではありません。調査の通知が届いた段階で準備するのでは遅く、日常的な管理体制がそのまま結果に表れます


税務調査は特別なことではなく、どのクリニックにも起こり得る日常的な出来事です。怖がる必要はありませんが、普段からの会計処理や資料管理の姿勢がそのまま問われます。

「調査で問題を見つけられるかどうか」ではなく、「普段の経営管理を確認する場」と捉えれば、院長先生にとっても良い学びの機会になります。しっかり準備を整えておけば、調査は怖いものではありません。

※税金の取扱いは法改正や解釈変更が随時行われます。必ず顧問税理士にご確認ください。

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