「求人を出しているのに応募が来ない」
「やっと応募が来たと思ったら面接をキャンセルされた」
「採用できても、すぐに辞めてしまう」
有資格者の採用について、このような悩みを抱えている医院は少なくありません。
医療機関では、資格がなければ任せられない業務があります。そのため、「採れないなら他のスタッフで代用する」という対応にも限界があります。
だからといって、
「最近の若い人は働かない」
「うちの地域には人がいない」
「給与をもっと上げるしかない」
と考えるだけでは、採用活動はなかなか前に進みません。
有資格者の採用が難しいときこそ、「人がいない」で終わらせず、自院が求職者からどう見えているのかを見直す必要があります。
有資格者が採用できない!!
まず「本当に応募が来ない理由」を考える
求人を出して応募がなければ、すぐに人材不足が原因だと考えたくなります。しかし、確認すべきことはほかにもあります。
- 給与や休日などの条件に競争力があるか
- 求人原稿で医院の魅力が伝わっているか
- 勤務時間や働き方に応募しにくい条件がないか
- 周辺医院の求人と比較しているか
院長にとっては十分な条件でも、求職者は自院だけを見ているわけではありません。複数の求人を並べて、「こちらの方が給与が高い」「こちらは休みが多い」「こちらの方が教育してもらえそう」と比較しています。
応募が来ないのであれば、「なぜ人がいないのか」ではなく、「なぜ数ある求人の中から自院が選ばれていないのか」という視点も必要です。
給与を上げるだけでは採用できない
採用が難しくなると、最初に考えるのが給与でしょう。もちろん給与は重要な条件です。
- 休日や勤務時間はどうなっているか
- 残業や休暇について明確に書かれているか
- 教育やサポート体制が伝わっているか
- どのような職場なのか想像できるか
例えば同じ月給でも、勤務時間が分かりにくい医院と、具体的に記載されている医院では安心感が違います。「アットホームな職場です」「スタッフ同士仲良しです」と書くだけでは、実際の働き方までは伝わりません。どのような仕事を任され、どのように教育され、どのような一日を過ごすのか。
給与は採用力を構成する一つの要素であり、求職者が「ここで働く自分」を想像できる求人にすることも重要です。
採用できないときほど「求める人物像」を見直す
有資格者が足りない。それなのに求人票を見ると、「経験3年以上」「即戦力」「コミュニケーション能力が高い」「土日勤務可能」など、求める条件がいくつも並んでいることがあります。
もちろん、医院として理想の人材像を持つことは必要です。
しかし、人材が豊富に集まる状況と、応募者そのものが少ない状況では、採用の考え方も変える必要があります。
「経験者でなければ難しい」と考えていた仕事は、本当に経験者でなければできないのでしょうか。
経験が浅くても教育すればできるのか。ブランクがある人でも復帰できるのか。勤務日数や時間について相談できる余地はないのか。
また、有資格者が行っている仕事の中に、資格がなくても担当できる業務が混在していないかを整理することも必要です。
採用できないときには、「どうやって理想の人を探すか」だけでなく、「本当にその条件の人でなければならないのか」まで考えてみる必要があります。
採用活動を「求人を出して待つ仕事」にしない
有資格者の採用が難しいのであれば、求人を掲載して終わりではなく、継続的な活動として管理する必要があります。
- 求人原稿を定期的に見直す
- 応募や面接の数字を確認する
- 応募者への連絡を早くする
- 入職後の定着まで振り返る
例えば、閲覧されているのに応募がないのであれば、求人内容や条件に問題があるかもしれません。応募はあるのに面接につながらなければ、その間の対応を確認します。採用できても短期間で退職するのであれば、採用より定着に課題がある可能性があります。
「応募がない」「採用できない」だけを見るのではなく、どこで人が離れているのかを確認します。採用は求人媒体へ掲載することではありません。応募、面接、採用、入職、定着までを一つの流れとして改善していく仕事です。

まとめ
「有資格者が採用できない」
これは、医院経営にとって非常に大きな問題です。
資格が必要な業務では、採用できなければ既存スタッフへの負担が増え、診療体制そのものにも影響します。
しかし、採用難という外部環境だけを理由にしていても、自院の採用状況は変わりません。
給与、休日、勤務時間、求人原稿、教育体制、応募者への対応、求める人物像。有資格者が行っている業務そのものを見直す余地もあります。
そして採用できた後には、「この医院で働き続けたい」と思ってもらえる職場をつくることも必要です。
人がいない時代だからこそ、「いい人が来たら採用する」という待ちの採用から、「どうすれば自院が選ばれるのか」を考える採用へ変えていく必要があります。
一度、自院の採用活動を振り返ってみてください。「有資格者がいない」で終わらせず、自院が選ばれていない理由まで考えられていますか?
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