面接では感じが良かったのに、採用してしばらくすると愚痴や不満ばかり。
「前の職場ではこうだった」
「このやり方はおかしいと思う」
「○○さんばかり優遇されている」
そして、その不満を周囲のスタッフにも話し始め、職場の雰囲気まで悪くしてしまう。
こうなると、「面接のときには全然分からなかった」と思うでしょう。
もちろん、短時間の面接だけでその人の性格を完全に見抜くことはできません。また、採用後の職場環境によって不満が増えることもあります。
それでも、質問の仕方を工夫することで、物事がうまくいかなかったときに他者や環境だけを原因にする傾向がないかを見ることはできます。
今回は、愚痴や不満が多くなりやすいスタッフを採用面接で見極めるために、どのような質問をすればよいのかを考えてみましょう。
愚痴体質を見抜く!面接時の質問とは?
「前職の退職理由」を深掘りする
退職理由は、その人の物事の捉え方が表れやすい質問の一つです。
- 「退職を考えた一番の理由は何ですか?」
- 「その問題について職場へ相談しましたか?」
- 「改善するためにご自身では何かしましたか?」
- 「今振り返ると、どうすればよかったと思いますか?」
「人間関係が悪かった」「上司と合わなかった」という回答だけで問題があると判断する必要はありません。本当に職場側に大きな問題があった可能性もあります。見たいのは、その後の話です。登場する人がすべて悪く、本人には改善できることが何一つなかったという話ばかりなのか。それとも、自分なりに行動したことや振り返りがあるのか。
退職理由そのものより、過去の問題をどのように捉えているかを見ることが重要です。
「嫌だったこと」だけで終わらせない質問をする
前職について聞くときは、不満だけでなく良かったことも聞いてみましょう。
- 「前の職場で良かったところは何ですか?」
- 「尊敬できる上司や先輩はいましたか?」
- 「働いていて楽しかったことは何ですか?」
- 「前職から学んだことは何ですか?」
どのような職場にも、良いところと悪いところがあります。それにもかかわらず、前職について質問するたびに悪かった話だけが続く場合には、その人が物事のマイナス面へ強く意識を向ける傾向がないか確認した方がよいでしょう。
反対に、退職した職場であっても「ここは勉強になりました」「この先輩にはお世話になりました」と話せる人もいます。何があったかだけでなく、過去の経験をどのような言葉で語る人なのかを観察します。
「困ったときにどうするか」を聞いてみる
愚痴が多いかどうかを、「あなたは愚痴を言いますか?」と直接聞いても意味はありません。おそらく多くの応募者が「言いません」と答えるでしょう。
そこで、実際に困った場面を思い出してもらいます。
例えば、「職場のルールに納得できなかった経験はありますか?そのときどうしましたか?」「上司と意見が違ったとき、どのように対応しましたか?」と聞いてみます。
ここで確認したいのは、不満を感じるかどうかではありません。不満を感じたときに、誰かの悪口を言うだけなのか、責任者へ相談するのか、自分なりの改善案を考えるのかという行動です。
また、具体的な経験を聞いた後に「その結果どうなりましたか?」と続けると、その人の行動パターンがさらに見えやすくなります。
面接では「どんな性格ですか」と聞くより、「そのとき実際にどう行動しましたか」と聞く方が判断材料を得やすくなります。
一つの回答だけで決めつけない
採用面接では、特定の言葉だけを「危険サイン」と決めつけないことも大切です。
- 回答に具体的な事実があるかを見る
- 他の質問との一貫性を確認する
- 自分自身を振り返る言葉があるかを見る
- 不満を改善行動へ変えられる人かを見る
例えば、「前職の院長と合わなかった」と答えただけで不採用にするのは早計です。その後に理由を聞き、「自分からこう相談しました」「自分にもこういう部分があったと思います」と話せるのであれば印象は変わります。反対に、どの質問でも「上司が悪い」「同僚が悪い」「職場の仕組みが悪い」と他者への批判だけが続くのであれば、慎重に確認した方がよいでしょう。
一つの回答ではなく、複数の質問を通じて見えてくる考え方の傾向で判断することが大切です。

まとめ
面接だけで「この人は絶対に愚痴を言わない」と見抜くことはできません。
また、不満を口にする人がすべて悪いわけでもありません。
医院側に問題があれば、それを指摘してくれるスタッフの存在はむしろ重要です。
採用時に見たいのは、不満を持つ人かどうかではなく、不満を持ったときにどう行動する人なのかです。
前職の退職理由を聞き、そのとき自分では何をしたのかを聞く。前職の悪かったところだけでなく、良かったところも聞く。そして、意見が合わない場面や困った場面で実際にどのような行動を取ったのかを確認します。
こうした質問を重ねることで、履歴書や第一印象だけでは分からない、その人の物事の捉え方が少しずつ見えてきます。
「愚痴を言わない人」を探すのではなく、問題が起きたときに他人のせいだけにせず、自分にできることを考え、必要な相手へ建設的に伝えられる人を採用する。この視点を持つことが大切です。
一度、自院の採用面接を振り返ってみてください。経歴や条件だけでなく、「問題が起きたとき、この人はどう考え、どう行動するのか」まで確認できていますか?
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