スタッフ育成では、「褒めることが大切」と言われることがあります。そのため、意識的に褒めるようにしている院長や教育担当者も多いのではないでしょうか。しかし実際には、褒めているつもりでも成長につながっていないケースがあります。
その理由の一つが、「曖昧な褒め方」です。「すごいね」「頑張ってるね」「いい感じだね」といった言葉は、一見すると前向きな声かけに見えます。しかし、何が良かったのかが伝わっていない場合、スタッフは次に何を続ければよいのか分からなくなります。
また、人は「何が評価されたか」が分からないと、行動を再現しにくくなります。せっかく良い行動をしていても、それが認識できなければ成長速度は上がりません。
本記事では、スタッフの成長を止める「曖昧な褒め方」について整理し、成長につながる伝え方を解説します。
スタッフの成長を止める「曖昧な褒め方」
「褒めた」と「伝わった」は違う
褒める側は良かれと思って声をかけていますが、相手に内容が伝わっていないことがあります。
・「頑張っているね」
・「良くなったね」
・「すごくいいね」
・「助かってるよ」
このような言葉だけでは、スタッフは何が評価されたのか理解しにくくなります。
また、人によって「何を頑張ったと思われているのか」の解釈も変わります。そのため、褒める側の意図と受け取る側の認識にズレが生まれることがあります。
重要なのは、「褒めたかどうか」ではなく、「何が良かったかが伝わったか」です。
行動が見えないと再現できない
成長につながる褒め方では、「結果」だけでなく「行動」を具体的に伝えることが重要です。
・患者さんへの声かけが自然だった
・確認を自分からできていた
・準備が早くなっていた
・周囲への気配りができていた
このように行動が明確になると、スタッフは「これを続ければ良い」と理解しやすくなります。
一方で、「いいね」だけでは、どの行動が評価されたのか分かりません。
また、人は評価された行動を繰り返す傾向があります。そのため、具体的な行動を言語化することは、次の成長にもつながります。
褒める目的は気分を良くすることではなく、「良い行動を増やすこと」です。
結果だけ褒めると成長が止まりやすい
スタッフ育成では、「患者さんに褒められた」「ミスがなかった」「目標を達成した」といった結果だけを褒めることがあります。しかし、それだけでは成長につながりにくいことがあります。
結果は大切ですが、結果だけでは「なぜうまくいったか」が見えないためです。
例えば、「患者さんから良い評価をもらえたね」と伝えるだけでは、その背景にあった行動が見えません。しかし、「患者さんの話を最後までしっかり聞いていたね」「不安そうな時に声をかけていたね」と行動まで伝えると、本人も再現しやすくなります。
重要なのは、「結果」だけではなく、「その結果につながった行動」を伝えることです。
そこに成長のヒントがあります。
成長していることを本人に見せる
育成がうまい医院では、褒めることを「評価」ではなく、「成長を見える化する機会」として使っています。
・前との違いを伝える
・具体的な変化を伝える
・小さな成長も共有する
・次の目標につなげる
このような関わり方があると、スタッフは自分の成長を実感しやすくなります。
また、人は毎日の変化には気づきにくいものです。そのため、周囲が言葉にすることには大きな意味があります。
特に新人は「まだできないこと」に目が向きやすいため、成長している部分を見える化することが重要になります。
褒めることは、単なる励ましではなく、成長の方向性を示すことでもあります。

まとめ
スタッフの成長を止める「曖昧な褒め方」は、何が評価されたのかが伝わらず、次の行動につながらないことにあります。
褒めること自体は大切ですが、「頑張っているね」「いいね」だけでは、スタッフは何を続ければよいのか分かりません。
また、結果だけではなく、その結果につながった行動を具体的に伝えることで、成長は加速しやすくなります。
重要なのは、「褒めること」ではなく、「成長を見える化すること」です。
まずは、自院の声かけを振り返り、「何を褒めているか」ではなく、「何が伝わっているか」を確認してみてください。
その見直しが、スタッフの成長速度や育成効果を大きく変えることにつながります。
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